イスラエル北部にある発掘現場テル・メギド。ヘブル人たちが、イスラエルに入ってきたころには、すでにカナン人たちの都市として栄えていた地である。
11月6日(水)、IAA(イスラエル考古学庁)が、この近くで国道延長の工事をしている中、これまで発見された中では最古となる5000年前のワインプレスの跡が発見されたと発表した。
また、当時のカナン人たちの偶像礼拝の際に、使われたとみられる神殿の模型や、ワインをつぐ道具がフルセットでもみつかった。これらからわかることは、5000年前にすでにワインを飲む習慣があったということと、それが、当時の偶像礼拝にも使われていたということである。
また、テル・メギドが、予想していたより大きな都市であり、1700年もの間、非常に大勢の人々が集まる偶像の拠点として存在しつづけていたということである。
メギドは、聖書にも古くから登場している。ヨシュアたちが来た時に、すでに存在しており(ヨシュア12:21)、マナセ族が支配したが、住民は追い出さなかったと書いてある。(士師記1:27)その後、ソロモンの時代に要塞化された。(第一列王記9:15)
その後、ユダの王アハズヤはメギドで、イスラエルに殺され、続いてヨシヤ王は、メギドでエジプトと戦って、死亡している。(第二列王23:29-30)
メギドは、預言者の書、ゼカリヤ書12:10-12にも登場している。ゼカリヤ書12章には、メシアがイスラエルに到来し、その時に、エルサレムに攻めてきていた、全ての国を滅ぼし、ダビデの家とエルサレムの住民を助けると書かれている。
この時、メギドでは、エルサレムを攻めた者たちの大きな嘆きがあるが、それと同じぐらい大きな嘆きが、エルサレムで、メシアを突き刺した者たちの嘆きがあるとも書かれている。
新約聖書的では、イエス(新訳聖書では救い主メシア)を実際に十字架刑とし、死を確認するために、その体を突き刺したのは、ローマ兵だが、そのすべてを推奨したのはユダヤ人たちであり、その後も、ユダヤ人は、イエスをメシアとは認めないまま終わりまで進むと考えられる。
また、終わりの時には、ユダヤ人たちは、世界中から攻撃されて、最後の拠点、エルサレムに集まっていると考えられる。このため、そのエルサレムに来るとされているメシアが来た時に、まさにかつて自分達が突き刺して殺したイエスこそがメシアであったことを知り、大いに悔い改める瞬間とも理解されている。
石のひとりごと
イスラエルには、聖書に書かれていることの証拠が、時代に応じて発見される傾向にある。メギドは、終わりの時に、イスラエル神以外を礼拝し、イスラエルを攻め滅ぼそうと集まる世の国々を象徴する場所である。それが今、出てきていることに、少し緊張も感じるところである。
