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ダマスカス無抵抗で陥落:アサド大統領は逃亡
シリアの反政府勢力HTSは、11月末に立ち上がり、2週間にもならない、12月7日までにアレッポ、ホマ、ホムスを制覇した。その後、シリアの首都ダマスカスに向かい、本日12月8日早朝、抵抗を受けることなく、ダマスカスへの入場を果たした。
アサド大統領は、ダマスカスの空港から国外へ脱出したとみられているが、乗っていた飛行機がレーダーから消えており、墜落した可能性もあるとのこと。
HTSは、ダマスカスより南のダラア、スウェイダ、またイスラエルとの国境から見ることもできるほどに近い、クネイトラも反政府勢力が制圧している。
シリア各地からはシリア政府軍が撤退し、ホムスとダマスカスの間に位置するアル・クサイルでは、ヒズボラ戦闘員数百人が、少なくとも150台の装甲車で、撤退していく様子も目撃されていた。
こうしたことから、HTSは、54年続いたアサド一家による支配は崩壊したと発表。政治犯として捉えられ、拷問と処刑も行われていた悪名高いセドナや刑務所にいた数千人を解放した。
ダマスカスの人々は、「自由が戻ってきた」と、アサド独裁政権からの解放を喜んでいるようである。アサド大統領の写真を破って踏みつけ、アサド大統領の父親ハーフェズ・アサド氏の銅像を倒して、破壊する様子。
HISTORIC: Hafez al-Assad statue toppled in Jaramana, just kilometers from Damascus. pic.twitter.com/P1zqNsetDW
— Clash Report (@clashreport) December 7, 2024
以下はアサド大統領宅に入る反政府勢力
2011年の内戦で、国外への避難を余儀なくされた数百万人のシリア人たちも、泣いて喜んでいるとのこと。
ゴラン高原クネイトラ制圧でイスラエル警戒
HTSは、イスラエルとの国境にあるクネイトラも制圧している。クネイトラは、ゴラン高原に位置しており、イスラエル国境からも見えるほどに近いところにある。
シリアでの内乱が急速に展開していることを受けて、シリア人たちが国境を超えてこないように、ゴラン高原の国境周辺に戦車隊と歩兵を派遣した。土を盛り上げた“壁”も設営している。
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今後シリア、ヒズボラ、イランはどうなっていくのか
シリアの反政府勢力はHTSだけではない。添付地図にあるように、HTSは今回の反乱を決行したグループで、今は、首都ダマスカスを含む、シリア西側から、アサド政権が支配していたエリアすべてを支配に置いた形である。
HTS以外に、トルコの支援を受けてトルコ軍も共に支配している反政府勢力と、クルド人勢力の地域もある。これが、今後、だれがどう、運営していくかである。また内乱に戻る可能性もゼロではない。
アサド大統領が、ダマスカスから逃亡した後、シリア政府のモハンマド・ガジ・アル・ジャラリ首相は、ダマスカスに残留しており、国民の願う政治をおこなっていく用意があると発表した。
また野党代表のハディ・アル・バフラ氏は、「シリアの暗黒の時代は終わった」と述べた。これまでは、アサド政権に反対すると、すぐに逮捕されていたからである。バフラ氏は、復習や報復の動きはないし、人権侵害も起こっていない。人々の尊厳は守られている述べ、すべての宗派宗教の市民に対し、他者に武器を使わないなら、ダマスカスは平穏だと、落ち着くよう、呼びかけた。
HTSの指導者、アル・ジャラニも、イスラム主義を押し付けるつもりはなく、ただアサド大統領の独裁からシリア市民を解放したかったといっている。
今後、シリア人たちが、力を合わせて、民主的なシリアに変えていけるのかだが、まだまだ先行きはわからない。
ロシアとイランの言いなりであったアサド政権が崩壊し、シリアは、今や反政府勢力が支配する国となりつつある。ヒズボラとイランは重要な武器移送経路を遮断された形である。
今後ヒズボラだけでなく、イランも弱体化していくことも考えられるが、反政府勢力とイスラエルの協力については、サル外相がこれを否定する声明を出している。
また、今この時に、イランが、核兵器を完成させようとする動きも報じられており、もっと悪い事態に発展する可能性もまだ十分残されている。
イスラエルは、あらゆるシナリオに対処する用意があると言っている。