創世記19:24-25によると、死海にあった大きな都、ソドムとゴモラは、天から降ってきた硫黄の火ですべてが滅ぼされたと書かれている。その後今に至るまで、3600年以上も、だれも住めない状態に置かれている。
このソドムとゴモラではないかと考えられる遺跡が、死海のヨルダン側にある発掘地、テル・エル・ハマンである。長年の発掘を経て、その地域を破壊したのは、巨大隕石である可能性が高いとの論文が、Nature Science Reportに出された。
テル・エル・ハマンは、紀元前4700年ごろから存在し、紀元前1650年ごろに破壊されたとみられる大都市である。遺跡には宮殿跡などがある。その遺跡から、この大都市の破壊が、普通の戦争などによる破壊では説明できないような発見があるという。
たとえば、①非常な高温で溶解したとみられる容器、②非常な高圧でできるダイヤモンド型の炭素、③2500度以上でのみ溶解する電解質の存在、などである。また、核兵器レベルの破壊の中で死亡したと見られるような超高速爆発、高温の熱波の痕跡とみられる人間の遺体の部分なども発見されている。
こうした発見から、ここで発生した破壊は、1908年にロシア中央のツングースカで発生した隕石による大被害よりもさらに大きな被害であったとみられている。
ツングースカでは、落下した隕石が空中で爆発したため、その爆風で、キノコ雲が発生。30-50キロ範囲、東京都と同じほどの面積の森林が薙ぎ倒されて焼けたという。また、爆発した物質が気化して巨大な夜光雲となり、ヨーロッパやアジアからもその光が数日にわたって見えたという。その威力は広島型原爆の1000倍と言われている。
テル・エル・ハマンの遺跡が示しているのは、それよりもまだ大きな破壊であったということである。ここが、ソドムとゴモラかどうかはまだ論議が続いているが、聖書が天から降ってきたと書いていることからも、隕石という説明に合点がいくところである。
また、その後、繁栄していた都で農業も盛んであったと見られる地域が一気に塩分が拡散して以後、農業ができなくなったことの説明としても、隕石落下の影響で、広範囲に岩塩が拡散したのではないかとの説明も可能になる。
考古学者たちは、いずれにしても、ここで、人類史上最古、2回目の巨大な隕石による破壊があったと結論づけている。(1回目は1万2800年シリアで発見されている)
gigazine.net/news/20210922-tall-el-hammam-sodom-gomorrah/
なお、黙示録には以下のような表記がある。今後、また地球にこのような隕石が落ちてくる可能性があるのかもしれない。
「血の混じった雹と火とが現れ、地上に投げられた」とか、「たいまつのように燃えている大きな星が天から落ちて来て、川々の三分の一とその水源に落ちた。この星の名は苦よもぎと呼ばれ、川の水の3分の1は苦よもぎのようになった。水が苦くなったので、その水のために多くの人が死んだ。」(黙示録8:10-11)