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シリアでは、アサド政権崩壊に伴い、次期政権への政権移行の動きが始まっている。
シリア暫定政権設立
12月10日(水)、アサド政権の崩壊に導いたHTS(シャーム解放機構)と、連携する組織とともに、HTS領域における救済政府(HS)のモハンマド・アル・バシル代表を、暫定首相として指名した。任期は、2025年3月となっている。
救済政府は、今年1月に立ち上げられた、HTS領域(人口400万人)の政府的な組織で、BBCによると、イスラム法に基づく宗教評議会を維持しながらも、地方自治や治安当局なども行なっていた。
アル・バシル暫定首相は、暫定政府メンバーとともに、10日(水)、ダマスカスで、旧アサド政権の幹部との会談を行なった。
国連のシリア特使、アメリカのブリンケン国務長官も、これを見守る姿勢を表明している。しかし、HTSは元アルカイダでもあり、国際社会からは、今もまだテロ組織指定を受けているままなので、国際社会としても、ためらいながら、シリアのこれからを見守っているところである。
しかし、ダマスカスでは、店舗が再開するなど平穏な日々への復帰の様相も見え始めているとのこと。
HTSが化学兵器廃絶で国際機関と協力と
こうした中、HTS の指導者アフマド・アル・シャラー(モハンマド・アル・ゴラニ)は、11日(水)、ロイター通信に対し、旧アサド政権時代からの化学兵器の排除に向けて、国際機関と協力していると報告した。
イスラエルは、旧アサド政権の軍事施設を空爆しており、その中には化学兵器関連施設も含まれている。今後も危険なものがみつかれば、躊躇なく攻撃して破壊する可能性がある。
アメリカのオースティン国防相は、イスラエルのカッツ国防相に対し、アメリカは、平和的な解決の方を希望するとして、HTSの様子を見守るので、今後もし攻撃する場合は、アメリカとの緊密な連絡が必要だと伝えたとのこと。