シリア南部でイスラエルとシリア人武装勢力衝突:シリア人5人死亡 2025.3.26

An IDF soldier is seen at a former Syrian Army post at Tel Kwdana, Syria, December 11, 2024. (Emanuel Fabian/Times of Israel)

シリアではアサド政権を打倒したアル・シャラア暫定新政権が、新しいシリアを立ち上げる途上にある。

しかし、今月初頭、政府の治安組織が、アサド前大統領所属するアラウィ派の人々が住む地域へ攻め込み、830人を殺害するという事態になった。政権はまだまだ不安定である。

www.bbc.com/japanese/articles/cjd30j2kmy9o

南シリアと国境を接するイスラエルは、ヘルモン山を含むシリア側に緩衝地帯を設立し、9地点で、軍の駐留を続けている。

その緩衝地帯住んでいるドルーズ族は、イスラエル側にいる親族を再会し、イスラエル領内にあるドルーズの聖地への訪問も実現している。

シリア政府は、イスラエルに撤退を要請しているが、カッツ国防相は、治安維持のため、駐留は続けると表明している。

駐留するだけでなく、イスラエルは、ダマスカスを含むシリア国内にある旧アサド政権武器庫など、イスラエルにとって、脅威になりうるものへの攻撃も続けている。

イスラエルは、イスラエルと国境を接するシリア南部のクネイトラ、ダラア、スウェイダ地域の非武装化をシリアに要求している。

こうした中、3月25日(火)、シリア側から、少なくとも7人が、イスラエル軍に向けて銃撃してきた。イスラエル兵に被害は出なかったが、イスラエルは、対戦車砲などで反撃。5人が死亡したとみられている。攻撃してきた武装勢力が何者かはまだわかっていない。

こうした状況に対し、国際社会はイスラエルに批判的である。24日にイスラエルを訪問した、カジャ・カラスEU外交政策担当は、イスラエルのサル外交官との共同声明の中で、「シリアはイスラエルを攻撃していないのだから、こうした攻撃は不要であり、治安の悪化につながる」との懸念を表明した。

www.timesofisrael.com/idf-says-troops-attacked-in-southern-syria-returned-fire-local-officials-say-5-dead/

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/idf-says-elite-troops-raided-several-weapons-stores-in-south-syria/

www.jpost.com/israel-news/article-847542

www.jpost.com/breaking-news/article-847491

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。