<ケリー国務長官とネタニヤフ首相>
先週末、ジュネーブでケリー国務長官とロシアのラブロフ外相が、シリアの化学兵器をどのように処分するかの具体案を出した件。それによると、シリアは来週中旬までには化学兵器の完全リストを提出することになっている。
ケリー国務長官は、ジュネーブでの会議終了後の15日、エルサレムへ直行。同盟国で、この件で大きな影響を受けるとみれるイスラエルのネタニヤフ首相に、ロシアとの取り決めを報告した。
ネタニヤフ首相は、計画には賛同したものの、「大事なのは結果だ。」と釘をさした。ついでにパレスチナ問題に関する打ち合わせもして、ケリー国務長官は、その日のうちにパリへと向かった。
<化学兵器問題・国連へ>
パリで、ケリー国務長官は、フランスのホーランデ大統領、イギリスのハーグ外相と会談。3国は、次の段階として国連安保理での厳しい決議案に持ち込むことで合意した。ケリー氏によれば、ロシアも合意しているという。
時を同じくして、シリアに入った国連の化学兵器査察隊が正式に調査結果を事務総長に提出。バン・キ・ムーン事務総長は、「シリアでの殺戮は、地対地ミサイルに仕掛けられたサリンによるものだったと公式な発表を行った。
今後、アサド政権が1週間以内に、正直にリストを出すのか、国連安保理はどういう決議をだすのか、注目されている。
<ロシアのシリアへの働きかけ>
ジュネーブでの米ロの会談後、ロシアの副外務相がシリアを訪問。アサド大統領に圧力をかけたもよう。アサド大統領はアメリカとロシアの合意事項を受け入れると語っている。
しかし、8月21日のサリンによる殺戮は反政府勢力によるものと主張し、犯行は認めなかった。逆に、それを裏付ける物的証拠をロシアに提出したと報じられている。
<アメリカは10億ドルを出せ:アサド大統領>
アサド大統領は18日、米国メディアFOXテレビのインタビューに答えて、「化学兵器のリストは提出する。しかし、それらを全部処分するのに1年はかかる。また少なくとも10億ドルはかかる。化学兵器が破壊できるかどうかは、アメリカがこの10億ドルを出すかどうかだ。」と語った。
<石のひとりごと>
シリア危機が始まったのはちょうど秋の例祭の直前。もしあのまま戦争になっていたら、実際にはそまつな仮庵ではなく、ガスマスクをつけて、防弾シェルターに出入りする毎日だったかもしれない・・・。