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1週間になるシファ病院での激戦:病院に復帰していたハマスとイスラム聖戦
激戦続くガザのシファ病院。1週間を超えての戦闘が続いており、これまでで最大の作戦となっている。ハマスは、ERや、産婦人科などからイスラエル軍に発砲しており、いわば、テロリストが、病院にたてこもっている状態である。以下は院内での戦闘の様子(IDF)
これまでに、ハマスなどの戦闘員170人以上が死亡。身柄を拘束した800人のうち、500人がハマスか、イスラム聖戦の戦闘員だったとイスラエル軍は発表した。
一方、24日、新たにリオール・ラヴィヴ上級軍曹(21)が戦死したと報告した。シファ病院での作戦で戦死したイスラエル兵は、3人目である。ガザ戦闘が始まってからの戦死者数は252人。
拘束した者たちの証言によると、シファ病院には、600-1000人の戦闘員がおり、司令室はあちこちにあって、中央司令室のようなものはないという。たとえば、イスラム聖戦の拠点のひとつは、産科病棟にあり、武器は、研修医室に置かれたりしているとのこと。
www.jpost.com/israel-hamas-war/article-793832
イスラエル軍は、昨年11月にシファ病院を攻撃した際、おおむねクリアにしたと言っていた。ところが、それからわずあ3-4ヶ月の間に1000人近いハマスやイスラム聖戦の戦闘員が戻ってきていたということである。民間人の背後や、まだ破壊されていない地下トンネルを通じて集まっていたと思われる。
これは、ラファでの戦闘を中途半端に終えた場合、ハマスがただちに復帰してしまう可能性を証明するようなものである。とはいえ、いったいいつまで戦闘しなければならないのか。ハマスやイスラム聖戦はいったいどのぐらいいるのかと思わされなくもない。
www.jpost.com/israel-hamas-war/article-793708
なお、国際法によると、医療施設は保護対象とされるが、軍事使用に利用された場合は、保護義務はなくなるとされている。従って、シファ病院の場合は、イスラエルが病院を攻撃したとしても、国際法違反にはならないということである。
*ガザでの医療をサポートするイギリスの野戦病院など
シファ病院の近くでは、イギリスのNGOが、野戦病院を設立しており、1日に200人近くがケアを受けているとのこと。イスラエル軍によると、ガザには、現在、野戦病院が8件活動している他、ガザ沖に、2隻の病院船も稼働しているとのこと。
www.timesofisrael.com/british-medical-ngo-sets-up-field-hospital-near-southern-gaza-city-of-rafah/
ハンユニスやラファ、その他のガザでの戦闘
イスラエル軍は、シファ病院だけでなく、他2つの病院がハマスの拠点となっていた。IDFによると、ハンユニスにあるナセル病院では、ハマス200人を拘束。武器や強奪した食糧や水も発見した。病院の検査室に武器も発見した。
ラファやハンユニスでも戦闘になった。空爆は50の地域に及んだとのこと。パレスチナ側の情報によると、ラファでは、民間人30人以上が死亡した。
これまでのガザでの死者数は、ガザ保健省(ハマス)によると、3万2333人。このうち、少なくとも1万3000人は戦闘員だとイスラエル主張する。負傷者は7万4694人。
*地下トンネルの長い歴史:オリーブ山通信より
ガザ地区の地下トンネルの歴史は非常に長い。オリーブ山通信で取り上げただけでも以下の記事がある。今、問題になっているラファからは、イスラエル領内に続く地下トンネルもあった。
トンネル2013年(11年前)
mtolive.net/あくなきガザの挑戦:イスラエルに通じる地下ト/
ラファのトンネル(6年前)
mtolive.net/新戦略!?:ハマスの地下トンネルを破壊%E3%80%802018-3-19/
トンネル2021年(3年前)
mtolive.net/明らかになったハマスの地下トンネル-2021-5-21/
ハイテク防御壁
mtolive.net/南レバノンでハマスの武器庫爆発:イスラエルは/
ガザからアシュドドへロケット弾8発
これほどの激戦であるのに、ハマスはまだイスラエルへロケット弾を発射する能力を維持していたようである。
スデロットや周辺地域への攻撃は時々発生していたが、25日には、ガザから25キロ北のアシュドド(人口22万)にロケット弾8発が発射された。
2発は迎撃ミサイルが撃墜し、6発は空き地で、被害はなかった。アシュドドにロケット弾が発射されたのは、1月以来であった。