シナイ半島:エジプト軍兵士33人死亡でガザ交渉延期へ 2014.10.27

24日、ガザに近いシナイ半島北部で、エジプト軍兵士33人が自爆テロによって殺害された。事件を受けて、シーシ大統領は、3ヶ月の戒厳令を発表。シナイ半島での、イスラム主義テロリストの一掃作戦をさらに強化している。

犯行声明は出ていないが、シーシ大統領は、”海外からの過激派”の犯行と言っている。

*シーシ大統領は、昨年就任以来、シナイ半島の、ベドウインの犯罪組織の他、ムスリム同胞団関係の残党など様々なイスラム過激派グループの一掃作戦を展開している。

<カイロ交渉延期:遅れるガザ地区復興>

27日、カイロでは、ガザ復興に関するイスラエルとパレスチナの間接的交渉が行われる予定だった。しかし、シナイ半島でのテロを受けて、エジプトは、これを11月中旬まで延期すると発表した。これにより、ガザ復興はさらに遅れることとなる。

ガザ地区の復興については、先の支援国会議で、54億ドルの支援金が決まったが、実際には、まだ全額が支払われたわけではない。また、このときの会議では、実際には物資の出入りを監視することになるイスラエルが招かれていなかったため、実務的な部分の詰めが欠けているという。

たとえば、ある支援国が、ガザの会社を使って建物の再建を行おうとする場合、その計画書などをイスラエルに提示する。必要と申請された物資の搬入を許可するかどうかは、(イスラエル側からの搬入に関しては)、イスラエルが決めることになる。

その搬入物資をどこから入手するかは、パレスチナ人と支援国が決めるのだが、結局はイスラエルで買う場合が多いとみられ、パレスチナ側はそれを嫌がっているので前に進まない。

また、昔からの”常識”だが、パレスチナでは、支援金の30%程度は必ず、指導者らの個人ポケットに入り、一部は必ずテロ活動に流れる。(アラブーイスラエル経済に関するスペシャリストのギル・フェイラー博士)

フランスは、「どうせ2、3年後にはまた破壊するようなプロジェクトに金を出したくない。」と公に発言しているという。。。。というような状況で、一応、復興資材搬入はすでにはじまってはいるものの、実質的な復興に着手したとはいえない状況である。

ハマスは、復興が遅れるなら、イスラエルを攻撃すると、相変わらず、非論理的なことばかり言っている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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