イスラエルのもう一つの懸念はゴラン高原である。先週イスラエルとシリアの間のクネイトラでシリア軍と反政府勢力が戦闘となった際、違法にシリア軍戦車が非武装地帯に入ったことをイスラエルは重要に受けとめている。
イスラエルは国連に対し、もし今後シリアの戦車が非武装地帯に入った場合、攻撃すると伝え、両者の衝突を監視するUNDOF(国連兵力引き離し多国籍監視軍)を強化するように要請した。
UNDOFは、先週クネイトラで戦闘が会った際、シリアとイスラエルの間の連絡係となり、負傷した反政府勢力戦闘員の計6名がイスイスラエルの病院で手当を受け、シリア領内に返されている。
この時、シリアの医師がイスラエルの医師に書いた引き継ぎの手紙が報じられ、苦しい中で活躍する医師たちの苦悩が伝わってきている。(添付写真Yネットより)
しかし、ゴラン高原があまりにも危険になってきたため、オーストリア軍がUNDOFから撤退を開始。駐留1000人のところ400人近い欠員になるみこみとなった。
<UNDOFの穴埋めは?>
ロシアが、穴埋めを申し出たが、国連はこれを拒否。「安保理常任理事国」はUNDOFに入れないということが理由である。国連はUNDOFの駐留は治安の維持に重要だとし、兵力を1250に増強、自衛のための武器も増強する予定である。
これを受けて、フィジー軍が340人、現在駐留中のフィリピン軍も兵力を増強へ。この他、インド軍が引き続き200人駐留させている。
日本の自衛隊は、昨年中に撤退している。イスラエルの日本大使館によると、「日本政府の立場は、ゴラン高原は、イスラエルが違法に占領したシリア領地であるとする国連の認識に合意する。」とのこと。