ゴラン高原に近づくシリア反政府勢力 2013.3.10

シリアとイスラエルの国境が危険になりつつあるため、日本の自衛隊はすでに撤退しているが、クロアチア軍も撤退をはじめるなどUNDOFが徐々に手薄になりつつあるようである。

10日、シリア政府が流した映像によると、反政府勢力が、イスラエルとシリアの間の非武装地帯南部(地図参照)に入っていることがわかった。反政府勢力は、非武装地帯付近シリア側の村80%は制覇したと主張している。

<イスラエルに占領されているゴラン高原を攻撃する?>

映像に映っている反政府勢力は、UNと書かれた非武装地帯標識の前で、「我々は今、占領されているゴラン高原の前に立っている。ハーフェズ・アサド(現アサド大統領の父)によって売り渡された地だ。

この40年、シリアは一度もイスラエルを攻撃しなかった。しかし、これからは我々は攻撃する。ゴラン高原はシリア人の手に帰る」と叫んだ。

今回の誘拐事件をうけて、もしUNDOFがまるまる撤退するようなことになれば、非武装地帯をアルカイダ系武装勢力が支配する可能性があるという。9日、イスラエルは、UNDOFに対し、撤退しないよう要請を出した。

<イスラエル軍シリア国境で警備強化>

イスラエルは、アサド政権が崩壊した後、この地域がシナイ半島のような無法地帯になることを想定し、現在テロリストよけの防護壁を建設中である。その作業員らが射殺されるなどの危険が予想されるため、イスラエル軍はシリアとの国境の警備を強化した。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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