上記事件の2日前の4日、ゴラン高原で、鉄条網を断ち切ってイスラエルへ侵入しようとしたシリア人1人がいた。イスラエル軍が発砲し、負傷している。
シリアではアレッポでの激しい戦闘で、町の60%を反政府勢力が制圧していると言われていたが、現在、2万人の政府軍がアレッポを包囲しているもようで、今後、ゴラン高原へのシリア人侵入もさらに増えるとみられる。
イスラエルが恐れるのは、南部シナイ半島からジハーディストが侵入してきたように、北部ゴラン高原からも、シリア内戦の混乱に乗じて、テロリストが侵入してくるのではないかということである。
<ゴラン高原のシリア側がシナイ半島と同様の無法地帯になりつつある>
今回、シナイ半島からジハーディストが侵入してきたが、これは、シナイ半島が、ムバラク政権が倒れた後、無法地帯と化し、今やアルカイダなどあらゆるイスラム過激派の潜伏地帯となった結果である。
シリアについても、アサド政権が倒れた後、ゴラン高原に接する地域が無法地帯となり、イスラム過激派のイスラエル攻撃の拠点になるのではないかとイスラエルは警戒を強めている。