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日本外務省がイスラエルを変異株流行国に指定
世界でワクチン争奪戦になっている中、イスラエルが先んじて、全国民へのワクチン接種を終える勢いになっていることは、日本でも注目されている通りである。2月4日時点ですでに、336万人(35.8%)が、1回目接種を受け、2回目の接種を終えた人は196万人(20.7%)である。
政府は、ワクチン接種をさらに急ぐため、年齢による枠組みを撤廃。16歳以上ならだれでも接種を受けられるようにしている。
www.haaretz.com/israel-news/israel-coronavirus-vaccinated-lockdown-covid-19-1.9500013
しかし、コロナも負けてない。イスラエルでは、すでに4種類の変異種が確認されており、幼児を含む若年層への感染拡大が問題になっている。実効再生産率は、1を下回っていたが、再び1を超えた。1日の感染者は3日、8896人。死者は3日、24時間で61人、4日には51人が亡くなり、コロナによる死者は5000人を超えた。重症者も4日、1040人と高止まりが続いており、病院の逼迫に変わりはない。
こうした状況から、日本外務省は、今日、5日より、イスラエルを「変異株流行国」に指定。イスラエルからの帰国者は、出発72時間前のPCR陰性証明と、到着後検査とその後3日間、指定の宿泊所で経過観察後検査、その後、自宅で2週間隔離するようにとの指示を送ってきている。
ファイザーのワクチンが、変異種にどの程度効果があるのかも、完全には明らかになっていない。しかし、今のところ、60歳以上の人の感染と重症化は抑えられていることはエビデンスとして上がってきているため、全国の大病院は、まだ接種を受けていない国民に対し、ワクチンを受けるようにと促す声明を共同で出した。
www.ynetnews.com/article/ryzCEUKl00
変異種への対策としては、ワクチン接種を16歳以上としているところ、12歳以上にまで引き下げることで論議が行われている。コロナ対策の最終ゴールは、集団免疫(70%程度)だが、その達成のためには、子供たちへのワクチン接種も必要だとの意見も出ている。
*ワクチン有効率92%の意味
イスラエルでの集団ワクチン接種による効果は92%と報告されている。ベングリオン大学のナダブ・ダビッドビッチ教授によると、これは、接種を受けても、その後感染する率が8%残るということではないと説明する。
有効率というのは、たとえば100人が接種を受けた場合、92人は感染しなくなるということで、接種後に感染した人が8人程度予想されるということである。言い換えれば、接種を受けた人の9割以上は、コロナに感染する確率がほとんどなくなっているということである。
www.timesofisrael.com/vaccinated-now-what-an-expert-offers-answers-for-israels-dosed-and-confused/
ロックダウン再び延期:激しい論議続く
イスラエルでも、ロックダウンによる経済への影響は深刻だ。これ以上、ロックダウンが延長されても、もはや従えないとする店もで始めている。このため、国会では、ロックダウンをどうするか、文字どおりの激論が続いている。
日本では、緊急事態宣言が、一気に一月、3月まで延長されたが、イスラエルでは、数日おきに激しい論議が行われ、数日おきの延長という事態になっている。
まずは1月31日までであったロックダウンを、今週初め、5日間延長することを決めた。その期限切れを前に、昨日また延長を主張するネタニヤフ首相と、解除を主張するガンツ氏の間で激論となり、結局ネタニヤフ首相が勝って、また3日延長で7日朝7時までの延長となった。
新型コロナの治療薬に一手か
新型コロナが脅威でなくなるためには、新型コロナに特化したワクチンと、治療薬ができればいいわけである。テルアビブの大病院イチロフ・ホスピタルのナディール・アルベール博士は、独自に開発した新型コロナの治療薬、EXO-CD24を、コロナ患者30人に投与したところ、29人に投与から2日目に効果が認められ、3−5日後には退院したと発表した。
エルサレムのハダッサ・ヘブライ大学病院では、ドロール・メボラク博士が、独自に開発した過剰免疫状態を改善するアロセトラを、基礎疾患を持つ重症者21人に投与したところ、19人に改善がみられ、8日目には退院できたとのこと。
www.ynetnews.com/health_science/article/rJoYyaYeO
ワクチンだけでなく、治療薬も早く出てきてほしいものである。