クルド人を助けないトルコ:コバネでISISとの戦闘激化 2014.10.9 

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4579127,00.html

ISISに攻撃され、16万人のクルド人難民が発生したシリアとトルコの国境の町コバネ。戦略的に重要な町であるため、ISISが包囲し、陥落寸前となっている。

これを受けて、アメリカと有志軍が、コバネへの空爆を激化させている。これまでにISIS戦闘員42人が死亡したとみられ、うち23人は、空爆に寄って死亡したとみられる。

地上で戦っているのはクルド人勢力。空爆に助けられ、ISISを撃退しかけたという情報もあるが、実際は、ISISは、空爆を上手に避けるようになったので、地上戦では、やはりISISが優勢に立っているというのが現状のようである。

空爆だけでISISを撃退する事は不可能・・・これは、アメリカ軍もイギリス軍も認めるところである。ではだれが地上軍を派遣するのかといえば、隣国のトルコ軍、となる。トルコはコバネとは国境を接するいわば当事国。しかも、欧米のNATO軍第二を誇る軍隊である。

ところが、トルコは、国境に多数の戦車を配置しながらも、手出しせず、コバネの戦闘を高見の見物状態である。トルコにとっては、クルド人勢力が弱体化する方が都合がいいのである。配置した戦車は、ISISが、ひょっとしてトルコ領内に入って来た場合に備えてのことである。

これを受けて、アメリカは激怒。対するトルコは、「もしアメリカがシリアのアサド政権も空爆するなら、協力してもいい。」と言っている。アメリカと違って、トルコはシリアのアサド政権排除に積極的だったのである。

しかし、もっと激怒しているのが、トルコ国籍のクルド人たちだ。トルコでは、クルド人の多い東南部と、イスタンブール、アンカラで、クルド人らが、クルド人を助けない政府に反発し、警察に火炎瓶を投げつけるなどの暴動になっている。死者はすでに21人に上っている。

*ISISに加わる日本人

おそらくいるだろうと思ったが。。。イスラム教徒でもないのにISISに加わっている日本人がいた。シリアに行こうとして未然に発見された北大生がニュースに上がっている他、元自衛隊で実際にシリアで戦闘に加わり、負傷して帰国した男性(26)もいる。
mainichi.jp/shimen/news/m20141009dde041040039000c.html

東京では、「派遣先:シリア」とするあやしい求人の張り紙もあるとか。
www.huffingtonpost.jp/2014/10/06/job-offer-syria_n_5943306.html?utm_hp_ref=mostpopular

世界中の若者もシリアの戦闘に加わって問題になっているが、彼らの多くはイスラムに改宗してから行っている。イスラム帝国を立ち上げるという目的を持ってシリアに行っているのである。

ところが、この日本人たちは、イスラムがなんたるかもまったく知らずに、シリアに行こうとする。人生の目的がみつかるかもしれないという理由で行ったのである。言っておくが、イスラム世界はそんな甘いものではない。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

コメントを残す

*