ガザ:迷惑きわまりない隣人との応酬 2020.8.26

ガザ地区 出展:wikipedia

ガザからは、多数の発火、爆発物を装着した風船が飛来し、1日に20から30箇所以上の野火が発生。町中にまで飛来し始めている。さらには、ロケット弾も発車され、南部都市、スデロットの家屋に被害もでている。

イスラエル軍は、国境を閉鎖して燃料の運び入れを停止。それなりの空爆を行っているが、できるだけ、大きな戦争は避けたいというスタンスに変わりはない。スデロット市長などは、「起きろ。戦争はもう始まっている。」と憤慨している。

イスラエルに流入する下水

こうした中、ガザでは、イスラエルから搬入されるはずの燃料が入らなくなったことで、下水処理ができなくなり、また大量の悪臭を放つ下水が、イスラエル領内に流入する結果となった。ハマスは、「イスラエルが燃料を止めたからだ。」と言っている。

www.timesofisrael.com/israel-cries-foul-warns-of-disaster-as-sewage-flows-across-gaza-border/

しかし、24日には、ガザで、製造中の爆弾が暴発したか、イスラム聖戦関係者4人が死亡。

www.timesofisrael.com/four-palestinian-islamic-jihad-members-killed-in-apparent-bomb-making-accident/

さらに25日になると、ガザ内部で、隔離していない人4人から新型コロナの感染者が発覚した。市中感染が疑われたため、ハマスは25日、ガザを48時間のロックダウンすると発表した。

それでも、ハマスは、”イスラエルが閉鎖を解くまでは”と、風船による攻撃を継続し、イスラエルも反撃を続けている。こうした中、今に始まったことではないが、カタールの使節が、現金3000万ドル(約30億円)をもって、ガザに到着した。

だだをこねて、隣を攻撃した上に、お小遣いをもらい、ようやくゲンコツを収める。ゲンコツをおさめてもらえばそれでいいので、イスラエルは、カタールの現金投入を歓迎する。これが最近のガザとの応酬パターンである。

www.timesofisrael.com/qatar-envoy-arrives-in-gaza-with-30-million-in-cash-seeking-to-placate-hamas/

*ガザ地区の新型コロナ情勢

ガザ地区は、狭いところに200万人が住んでいる。(とはいえ、人口密度は東京の方が上)国境が封鎖されているせいか、これまでの感染者は,
アルジャジーラによると、119人。死者は1人で抑えられている。

人々のマスク着用を促そうとマスクをデザインするパレスチナ人たち

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。