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国連がガザ地区飢饉警鐘

ガザでのカオスは、悪化を続ける一方である。国連は、7月29日(火)、ガザ地区で、餓死関連死が急増しており、飢饉という最悪のシナリオが進行中だとの警告を発した。
早急に対策を取らなければ、ガザ地区広範囲で餓死が多発すると言っている。まだ飢餓宣言ではないが、この警告は、今月に入ってからだけで63人が餓死するといった報告を受けて、発せられたものである。
これとは別に、総合的食糧安全保障分類(IPC)も、イスラエルの「厳格な封鎖」により、状況は劇的に悪化したと表明した。
IPCは、2011年のソマリア、2017年と2020年に南スーダン、2024年に西スーダンのダルフールで飢饉の宣言を行なっている。
なお、ガザ地区について、IPCが警告を発するのはこれが初めてではない。過去の警告でも何も起こらなかったとイスラエルが反発している。しかし、もし本格的にIPCが、飢饉を宣言したら、ソマリアやスーダンといった紛争地帯と同じ扱いになるということである。
*飢饉宣言の条件
全世帯の20%が飢餓状態、生後6ヶ月から5歳までの幼児の30%が急性栄養失調か消耗症(極端な痩せなど)
また、1万人あたり少なくとも2人、5歳未満児4人が飢餓、または栄養失調で、毎日死亡している。
国際社会の激しい非難を受けて、イスラエルは、ガザの人道地域における1日10時間の停戦を開始。ガザへの物資搬入を大規模に再開するとともに、空からの物資落下も始めた。
エジプトやヨルダンも物資の搬送を開始したが、案の定、エジプトから入った物資トラックは、すべてハマスが横領。物資を販売しており、末端の貧しい人には届いていないとの報告がある。
こうした中、7月29日(火)ガザ保健省(ハマス)は、2023年10月7日以降の死者数は、6万人(戦闘員と市民の区別なし)と発表。世界中でこの数字が報じられた。
国際ジャーナリストたちがガザ入り許可を訴え

イスラエルは、ガザへの武器物資など危険物資が出入りすること、ジャーナリストの紛争してテロリストが出入りする可能性があるころ、またガザでの戦闘にジャーナリストを巻き込まないためにも、国際メディア関係者が、単独で国境を超えて、ガザ地区内部に入ることを許可していない。
国際メディアは、2023年12月に、ガザでの取材活動への許可をイスラエルに求めたが、イスラエルはこれを拒否していた。
このため、えこれまでのガザ関係のニュースは、イスラエル軍が同伴して取材を可能にした場合と、それ以外は、ガザ内部にいるパレスチナ人のジャーナリストや、人道支援関連で入っている人々からの情報である。
しかし、今、ガザ地区での問題が、軍事衝突だけでなく、人道危機の問題にもなってきたことから、ガザ内で情報を流してきたパレスチナ人記者たちへの懸念も上がっており、今後、ガザから誰が情報を発するのかとの懸念も上がっている。
現在、BBC, AP通信、ロイターなど、国際ジャーナリストたちが、再びガザ地区へ入って取材する許可を出すよう、イスラエルに訴えているとのこと。
