ガザ戦闘に戻るか?残り19人遺体捜索国際部隊ガザへ 2025.10.17

An aerial view shows the Al-Maqussi Towers district, heavily damaged by Israeli bombardment over the past two years, in northwestern Gaza City on October 15, 2025. (Photo by AFP)

人質遺体あと19人:国際捜索隊がガザへ

ハマスは、これまでに3回に分けて9人の人質遺体を引き渡した。しかし、確保できていた遺体はこれで最後だと主張。あと19人の遺体を発見するには、重機が必要で、時間もかかると主張している。

以下は、アル・ジャジーラが伝えた、ハマスが遺体を探している様子

しかし、ウォールストリートジャーナルによると、イスラエルは、仲介者に、ハマスは、少なくともあと6人の遺体は把握しているとみていると伝えたとのこと。

また、イスラエルのテレビ、チャンネル12は、イスラエル高官が、ハマスが返還しうる遺体は、二桁だと語ったとも伝えている。

こうした中、ハマスは、地上に現れ、ガザの部族たちの殺害を続けている。ガザの地域部族からは、戦後のガザ体制設立が遅れているので、ハマスが勢力を回復していると訴えている。

この様子から、ハマスは、遺体を確保しているのに、時間稼ぎのカードとして使っているのではないかとの見方もある。

イスラエルのカッツ国防相は、遺体の返還がなされないなら、攻撃を再開する示唆している他、トランプ大統領も、ハマスがガザでの殺戮をやめないなら、我々が言って殺すと警告した。

イスラエルとアメリカがガザに攻め込んで、いよいよハマスを殲滅する可能性が、懸念が出始めていた。

www.timesofisrael.com/trump-if-hamas-doesnt-stop-killing-gazans-we-will-have-no-choice-but-to-go-in-and-kill-them/

しかし、ネタニヤフ首相としては、遺体を取り戻さないうちに戦闘が再開になり、残りの遺体を見捨てるようなことは避けたいことであろう。トランプ大統領も達成した停戦は継続したいはずである。

イスラエルは、遺体を発見する可能性がある場所の情報を、中間交渉者に伝えたと言われていた。チャンネル13によると、アメリカ、トルコ、エジプト、カタールから、遺体を捜索する捜索隊がガザに入っており、まもなく捜索活動を開始するとのこと。

www.timesofisrael.com/team-enters-gaza-to-search-for-hostages-bodies-as-israel-vows-to-ramp-up-pressure/

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/hamas-claims-it-cant-return-remaining-hostages-bodies-without-equipment-to-clear-rubble/

ガザ市に戻った市民:自宅は瓦礫・水も電気もインターネットもなし

Palestinians make their way past destroyed buildings in Gaza City on October 12, 2025. (Bashar TALEB / AFP)

ガザで停戦が発効すると、ガザ北部や特にガザ市住民たちが、自宅へと戻っていく様子が伝えられていた。

しかし、戻った人々の多くは、自宅であったアパートがことごとく瓦礫となっているのを発見している。

中には、テントもなく、ホームレスで、文字通り瓦礫の中で寝なければならなくなっている家族たちもいる。

破壊により水道、電気、インターネットはない。ガザ市の住民の多くは避難したままなので、ガザ市ではまだ、市内での食料配布も行われていないようである。

国連は、すでに瓦礫の撤去にはとりかかっており、停戦になってからだけで、すでに5500万トンの瓦礫を撤去したとのこと。しかし、ガザ全域の復興には、数十年かかるとも推測されている。

石のひとりごと

地獄の暗闇と瓦礫の中にいるガザ避難民たち、その間にいるハマスたち。その中へ入って、イスラエル人の人質遺体を捜索する国際部隊・・なんともカオス状態だ。

主のあわれみが、この状態の上にあり、戦闘が勃発しないよう、遺体が速やかにみつかるよう、祈りたい。

www.timesofisrael.com/as-dust-settles-in-gaza-city-amid-truce-residents-return-to-razed-homes/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。