www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4579502,00.html
ガザでは、現時点で18000の建築物が全壊。40万人が難民となり、がれきの中で生活している。
www.bbc.com/news/world-middle-east-29086193 (壮絶な破壊の様子)
12日、カイロにて、50の国や国際団体の代表が出席し、ガザ復興支援国会議が開かれた。結果、予想をはるかに上回る54億ドル(約5900億円)の支援金が集まった。
内訳の上位国は、カタール(1100億円)、EU(624億円)、アメリカ(233億円)、アラブ首長国連邦(210億円)、トルコ(210億円)、となっている。
この中に、サウジアラビアが登場していないが、それは、ハマスの母体であるムスリム同胞団を間接的にでも支援したくないからである。この点において、サウジアラビアとカタールは対立している。カタールとトルコは、これまでからハマスを支援してきた国である。
これらの資金は、ハマスを経由せず、パレスチナ自治政府のアッバス議長を経由するという条件で、向こう3年間の間に支払われることになっている。
しかし、パレスチナ自治政府は、先週、ガザにてハマスと共に初の統一政府閣議を開いたばかり。ハマスを経由しないという条件は、実際には不可能である。
イスラエルのカッツ交通省は、「ガザの人々が、テロを放棄しないなら、これらの支援金は無駄になるだろう。」と語った。つまり、イスラエルに対するテロが再開されるなら、また破壊せざるを得ないということ。
このカイロでの支援国会議に出席したケリー国務長官も、「応急手当だけでは解決にならない。」として、イスラエルとパレスチナの対話再開に意欲を語っている。・・・が、ハマスを含む統一政府では、イスラエルは交渉には応じないだろう。
<どのようにしてトンネル再建を防ぐのか>
支援金は、建物の再建や、産業の立ち上げに使われることになるが、ハマスがトンネルの再建や、武器搬入に使わないように監視しなければならない。次のような手順が定められた。
1)ガザからの建築計画(必要物資)の申請により、イスラエルは、申告された量のセメント他建築資材を、工事の段階に応じて、段階的にガザへ搬入することを許可する。
2)国際監視団が、それらをまず一つの倉庫にすべて運び入れる。倉庫は監視カメラで監視する。監視映像はイスラエルにも送られる。
3)認可された建築会社が、詳細な計画を提出し、それに応じた量の物資を倉庫から受け取る。会社は、綿密な帳簿を提出する。
4)イスラエルは、ドローンなどで、工事の進捗が申告通りで、搬入された物資が実際に使われているかどうかを監視する。
5)エジプトとイスラエルは、ロケット弾になりうる金属のパイプの搬入はしない。その代わりにプラスチックのパイプを搬入する。また、ロケット弾に変換される恐れがある様々な金属製の機材も搬入しないことで合意。
6)イスラエル、エジプトとガザの検問所のガザ側は、パレスチナ自治政府が管理する。このための治安部隊1200人を現在エリコで訓練中。
今回は、エジプトの新政府が、イスラエルと同様に、ハマスを排除したい考えであることが幸いだった。エジプトは、エジプトとガザの間にあった何千もの地下トンネルを、再建不能にまで徹底的に破壊し、埋め尽くした。
この点、表向きだけトンネルを破壊して、実際には、密輸を暗黙に了解していた前のムバラク政権とは違う点である。
また、エジプト新政府は、シナイ半島のハマス残党などのテロリストの一掃作戦を継続して展開している。イスラエルとエジプトの信頼関係は、現在、良好だという。