ガザ市攻撃でアル・ジャジーラの記者死亡:世界はイスラエル非難集中 2025.8.12

Al Jazeera reporter Anas al-Sharif reports in a broadcast segment posted to X on August 8, 2025. (Screenshot: X)
5人の葬儀の様子 in Gaza City on August 11, 2025. (Omar AL-QATTAA / AFP)

8月10日(日)、イスラエルがガザ占領政策を発表して数日後、イスラエルがガザ市を攻撃した際、著名なガザ在住のパレスチナ人で、アル・ジャジーラ(カタール)のテレビ報道記者アナス・アル・シャリフ(28)が死亡。

アナスと撮影チームの、モハンマド・クレイキ、ビデオカメラマンのイブラヒム・ザハル、モハンマド・ノーファル、モアマン・アリ

ワと、別の2人も同じ攻撃で死亡したとガザの病院が発表した。

攻撃の直前、アナスは、イスラエル軍によるガザ市への攻撃を撮影。SNSにアップしていた。

またアナスは、自分が死んだら「私は、間違いや歪曲のない、真実を述べることに躊躇したことはない。私は沈黙させられたが、ガザを忘れないように」というメッセージを、フォロワーが50万人のXにアップするよう、残していた。

イスラエル軍は、攻撃を認めたが、“ジャーナリストのふりをしたテロリスト”を攻撃したと主張した。

イスラエル軍のナダブ・ショシャニ大佐は、アナスをリーダーとするハマスのセルが、イスラエル軍とイスラエル市民に対するロケット攻撃をすすめているとの情報を得ていたとSNSで表明した。

そのSNSには、ハマスの名簿、訓練リスト、給与記録があり、それらの書類によると、ID305342と記されている。アナスが、アルジャジーラだけでなく、ハマスから給与をもらっていたと証明している。

photographed posted by the IDF’s Arabic language spokesman on August 11, 2025.

また、アナスが、シンワルたちを非常に接近して写真をとっている様子などからも、ハマスとの深い関係は十分に伺えるところである。

しかし、アル・ジャジーラはこれを頭からこれを否定。イスラエルがアルジャジーラの記者を標的にしていると非難した。

アナスは、アル・ジャジーラの記者として2年。ガザ内部からのニュースを発信し続け、世界にも知られるようになっていた。

国際社会からは、ガザで死亡したジャーナリストは、少なくとも242人に上るとして、イスラエルがジャーナリストを狙い撃ちしていると非難が高まっている。

EUもこれに加わり、イスラエルは、アナスがテロリストだったという明確な証拠を出すべきだと発表した。国連のグテーレス長官は、独立した調査が必要だと述べた。

www.timesofisrael.com/amid-global-outcry-idf-says-al-jazeera-reporter-it-killed-was-receiving-hamas-salary/

www.timesofisrael.com/idf-strike-on-gaza-city-kills-al-jazeera-reporter-accused-of-being-a-hamas-cell-leader/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。