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ガザ市で高層ビル4棟破壊:地上軍作戦はもうすぐか?
カタール問題で中東首脳が集まり、ルビオ米国務長官が、イスラエルを訪問している今も、イスラエルはガザ市への攻撃を続けている。9月14日(日)、イスラエル軍は、ガザ市の高層ビル4棟を破壊した。これによりハマス戦闘員ら数十人が死亡したとみている。
これらのビルの破壊に先立ち、イスラエル軍は続けて攻撃前にその位置情報を提示して避難を警告した。しかし、ハマスは、病院で死亡が確認された13人を含め、24時間内の攻撃で47人が死亡したと発表している。

これまでの警告で、ガザ市を出た避難民は、30万人になったと推測されている。まだ70万人残っている計算だが、イスラエル軍は、まもなく地上軍による攻撃を開始するともみられている。
こうした中、イスラエルは、ガザから出ることを希望する人は出られるようにする方針にすると言っているが、まだ正式に始まったかどうかは未確認である。
しかし、Times of Israelによると、ハマスメンバーが、市民に紛れて、家族をガザから出そうとする動きもあり、中には、自分も出るための申請を出したケースがあると伝えている。
ハマスは、ガザ市の市民に避難せず、そのままとどまるように強制していると言われる中での動きである。COGATはこれを拒否したとのこと。
ザミール参謀総長が政府にガザ戦闘拡大に再度反対を表明

Ynetによると、ザミール参謀総長は、12日(金)、国会に対し、ネタニヤフ首相はガザへの攻撃拡大について、何を期待し、何に備えるかの明確な指示をもらっていないと表明したという。
ザミール氏はまた、GHF(ガザ人道財団)の4ヶ所の配布センターでの支援物資配給プログラムは失敗だった述べ、にもかかわらず、これから12か所にまで増やすことに疑問も表明した。
ザミール氏は、2週間前に、ガザ市への侵攻に反対し、別案として、これを包囲する作戦を出していた。しかし、ネタニヤフ首相と閣議はこれを却下し、ガザ市への攻撃拡大を選択した。ザミール参謀総長は国の軍として、政府に従うことを決め、今も攻撃を続けている。
しかし、13日の会議で、再び、ガザへの地上軍侵攻は、①兵士へのリスク、②人質へのリスク、③国際的に正当性が認められていないこと、④ガザ民間人の避難困難、また、イスラエル軍がガザ市を制覇した後、長期にわたる軍事支配におくことになるなどの理由を挙げて、反対意見を出したとのこと。
こうした懸念に、ネタニヤフ首相はなんの答えも与えず、地上軍進軍を指示しているということである。ザミール参謀総長が今また、反対意見を出したことについて、軍は政府に従うが、全ての責任は、政府のあると明確にしたとみられている。
www.ynetnews.com/article/hkkmhfsoll
*イスラエルの負傷兵の現状

国防省によると、イスラエル国内での負傷兵はすでに2万人。
2万人のうち、45%は重度の身体への負傷を負っている。障害者となった兵士は90人近くにのぼる。また99人は四肢を失って義手義足になっている。
全負傷者2万人のうち、57%の1万人以上はPTSDと診断されている。
2万人のうち、64%は予備役兵(徴兵されて戦場に行った市民兵)だった。
石のひとりごと
ガザ市民のうち47%は18歳以下と、半分近くが子供なので、地上軍が入っていくと、大勢の子供たちが犠牲になる可能性が高い。人質やイスラエル兵の犠牲も避けられないだろう。
それでも、ガザへ地上戦に踏みきるべきなのか。一方で、踏み切らなかったらどうなるのか。
私たちにはただ見守るしかできないが、主が双方を憐れんでくださり、多くの命が失われることを避ける道を与えてくださることを祈るのみである。
