ガザ市から20万人移動とIDF推測:南部で人道支援拡大準備中 2025.9.11

Displaced Palestinians fleeing northern Gaza carry their belongings along the coastal road toward southern Gaza, September 10, 2025. (AP Photo/Abdel Kareem Hana)

ガザ市から20万人移動か:避難民移動を待ちのイスラエル軍

ガザ市にいる非難民たちに、戦闘が始まる前に海岸ぞいに南部人道地域へ非難するようにビラを巻いて指示したイスラエル軍。これまでに、100万人いる市民たちのうち、20万人がガザ市を出たとみている。

イスラエル軍は、地上軍を投入してガザ市のハマスを一掃する計画だが、市民が移動するのを待っている状況にあるとのこと。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/idf-says-some-200000-palestinians-have-left-gaza-city-as-it-gears-up-for-offensive/

ラファに新しく改善されたGHF配布センター2カ所準備中

一方ガザ南部ラファは、おおむねイスラエルの管理下にあるとされ、戦闘はなく静けさがあるという。イスラエル軍は、この地域を整備しており、GHFに引き渡して、食糧配布センターを2カ所開設する予定になっている。

これまでに設立されたGHFは、人々が住んでいることから非常に遠いことと、サイトでの歩行者の流れの中で銃撃事件も発生して非難され続けた。イスラエル軍は、そこから学んだことを新たな配給センターに生かしていると語っている。

たとえば、ラファであれば、人道地帯とされているアル・マワシからは見える位置にあり、遠くても20分ぐらいの徒歩で到達できるという。センター内での人々の動きはより明確に、シンプルになっているという。

またセンター内に、イスラエル軍は駐留せず、周辺で治安の維持を図るようにして、イスラエル軍が市民を殺したと言わせない形になるとのこと。

*ガザへの食糧配布

イスラエルは、今年3月、一旦支援物資の搬入をすべて停止した。ハマスの横領が問題になっていたからである。

しかし、そのことからだけではなかったと思われるが、ガザ市民が飢餓状態に陥っているとのニュースが出るようになり、国際社会は、イスラエルのみにその責任を問い、飢餓を武器に使っていると非難した。

イスラエルは5月中旬から、食料や支援物資の搬入をフルで再開させた他、空からの物資の投下や、ガザ全域でのスープキッチンも徐々に再開させた。

以来、GHFだけで、1億6600万食以上を配布したとのこと。1日計算では、11日だけで120万食である。だいぶ満たされてきたのか、ガザの飢餓問題についてのニュースは少なくなっている。また、ガザ市から南部へ移動するガザの人々の様子をみると、ガリガリになっているような人はみえない。

www.timesofisrael.com/waiting-for-gaza-city-residents-to-head-south-israel-readies-new-aid-sites-in-rafah/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。