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ガザ北部激戦の2か月
ガザ北部では、ここ2か月、イスラエル軍が、徹底的なハマス撃滅作戦を続けていた。
この2か月ほどの間に、殺害したハマスなど様々なテロ戦闘員は300人とイスラエル軍は発表している。
ハマス幹部たちの居住地も破壊し、その地下にあった7.5キロのトンネルを摘発。武器類とともに破壊した。
ハマスの再結集を阻止するため、戦闘員が結集していた建物への破壊攻撃も行った。結果的に、病院や学校など公共施設など、避難民もいるような場所への攻撃になっている。
イスラエル軍は、避難民を巻き添えにしないよう、できるかぎりの対策をしているが、それでも巻き添えは避けられず、国際社会からの非難が殺到した。
最近の例では、1月6―7日の24時間での激戦では、ガザ保健省によると31人が死亡。10月7日襲撃に関わったテロリストがいるとの情報から、家屋への空爆も行い、4人が死亡した。ただし、この死者数に、避難民と戦闘員の区別はない。
イスラエル軍は、逮捕されたハマス戦闘員が、ハマスが、カマル・アドワン病院を拠点にしていたとはっきり証言する様子を公表。ハマスが人々を盾にしている証拠だと反論している。
また国際社会は、イスラエル軍がガザ北部への人道支援物資の搬入を妨害して、意図的な飢餓をもたらしていると避難したが、この2ヶ月の間に、イスラエル軍COGATは、物資を乗せたトラック1100台をガザ北部へ誘導したと主張している。
www.timesofisrael.com/soldier-killed-fighting-in-gaza-as-idf-withdraws-brigade-from-northern-strip/
2か月のイスラエル軍戦死者12人でガザ地上戦での戦死者401人に
一方、このガザ北部での2か月にわたる戦闘で、イスラエル兵の戦死者も12人にのぼった。最近では、1月6日(月)にイスラエル兵2人が死亡。
その翌日7日(火)には、イスラエル兵で、偵察部隊のイド・サミアック2等軍曹(20)が戦死した。
www.timesofisrael.com/soldier-killed-fighting-in-gaza-as-idf-withdraws-brigade-from-northern-strip/
この戦闘の後、イスラエル軍は、大きい旅団を、ガザ北部のベイト・ラヒヤ、ベイト・ハヌーンなどから一旦、撤退させた。しかし、全部ではなかったようである。
8日(水)ベイト・ハヌーンで、仕掛けられた大型爆弾が戦車の近くで爆発。3人が死亡。3人が重傷となった。
死亡した兵士は、ネボ・フィッシャーニ二等軍曹(20)、マタティヤフ・ヤコブ・ペレル二等軍曹(22)、カナオ・カサ二等軍曹(22)これで、ガザ地上戦が始まってからの戦死者は401人となった。
目標地点見えない?ガザでの戦闘
ガザでの戦闘が1年を超えたが、人質はまだ100人近くとられたままで、まだ終る様子が見えない。終戦後の明確な目標地点が、見えないという指摘が、イスラエル国内からも出ている。
ガザでの戦争は、人質を取り戻し、テロ組織の攻撃から、国民を守るためではあるのだが、20歳代の若者たちが兵士として従軍し、400人以上も死んでいる。
今後、人質が解放されたとしても、そのために400人以上の戦死という、非常に高い犠牲の中でということになる。映画「プライベートライアン」を思い出すような状況である。