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カマル・アドワン病院にハマスなどテロ組織がまた集結でまたIDF突入
12月27日(金)、イスラエル軍は、ガザ北部ジャバリヤにあるカマル・アドワン病院が再びテロ組織の拠点になっていると発表。翌28日(土)、戦車部隊が病院を包囲し、特殊部隊が突入していった。
テロ組織は、イスラエル軍に対し、対戦車砲などで反撃してきた。戦闘中、医療スタッフのふりをしたり、救急車で逃げようとする者もいたという。
この攻撃で、イスラエル軍は、手榴弾や拳銃など武器類を押収し、ハマスや、イスラム聖戦戦闘員など約240人を拘束した。このうち15人は、フサム・アブ・サフィヤ病院長など医療スタッフだった。また、昨年10月7日の奇襲に参加していた者は少なくとも15人はいると伝えられている。
イスラエル軍が、この病院への突入するのは、10月末に続いて2回目である。この時は、3週間にわたる戦闘で、ハマスなど戦闘員55人が死亡し、40人が身柄を拘束されていた。
イスラエル兵も十人が死亡。この時、この地域にいた避難民5万人は、避難したと伝えられていたが、その後、また病院を中心に舞い戻っていた人もいたとみられる。
前回もそうだが、今回も、戦闘の3週間前から、イスラエル軍は、ガザ北部にあるカマル・アドワン病院に数万リットルの燃料や食料、医療物資を届けて、病院機能の維持を助けた。
その後、イスラエル軍は、病院近辺に避難を呼びかけ、救急車で患者350人をガザ市のアル・シファ病院へ移送した。その後で突入した形だった。
攻撃中、イスラエル軍は、医療を継続するため、病院に燃料5000リットルを供給した他、さらに患者95人の患者、看護者、医療従事者を安全地帯へ移動させた。また病院に避難していた民間人500人も誘導して避難させた。
イスラエル軍は、すでに作戦は終了と発表。WHOは、カマル・アドワン病院は機能停止に陥ったと発表した。
アラブ諸国と国際メディアからはイスラエルに非難集中
ハマスは、イスラエル軍が病院に放火して焼き払ったと非難した。イスラエル軍は、病院近くの建物が燃えたが、すぐに鎮火したのであり、病院への放火については、否定している。
また、ヨルダン、サウジアラビア含むアラブ諸国は、イスラエル軍が、この寒い中、病院スタッフたちに裸足で、裸の者もいる様相で、イスラエル軍戦車の前を歩かされているとことにも、「国際法上の違反だ」と強く非難した。
BREAKING: The Israeli occupation military has stormed Kamal Adwan Hospital in northern Gaza, forcing doctors and patients to walk on foot to the southern part of the region. pic.twitter.com/HCLLXAHx1N
— Quds News Network (@QudsNen) December 27, 2024
この様子を、世界のメディアも、一斉に、イスラエルが、ガザ北部で唯一残っていた医療機関を破壊したと非難する報道を出した。国連もこれを非難する声明を出した。
なお、国際法では、病院への攻撃は違反とされているが、病院が軍事目的で利用されていた場合は、違反にならない可能性もあるとのこと。