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人質2人の残虐な映像公開に対する国際社会の反応
先週末に、エブヤタル・デービッドさん(24)の痩せこけた映像が公開されたのに続いて、その前に映像が送り付けられていたロム・ブラスラブさん(21)の家族も映像を公開した。
イスラエルでは、ホロコーストを連想するほどのショックと怒りが広がり、ネタニヤフ首相は、世界に向けて、ハマスは停戦を望んでいないと訴えるとともに、8月3日(日)、この地域のICRCのジュリアン・レリソン代表と会談。直接、人質に食糧と医薬品を届けるよう、要請した。
ICRCは、「愕然としている」「悲惨な状況は終わらせなければならない」と表明した。しかし、ICRCは、これまでに解放される人質の受け取りには関わったが、まだハマスの手中にいる人質については、訪問して健康を確認することもしてこなかったのである。
人質2人の恐ろしいクリップが公開された後、EU、イギリス、フランス、ドイツは、3日(日)、ハマスが人質をこのように扱っていることを限りなく非人道的であり、ハマスの残虐性を示していると非難した。
フランスのマクロン大統領は、Xに、最優先事項は、人質全員の解放だとも書き込んでいた。また、ハマスは完全に非武装化し、ガザの将来に一切関わるべきでないと主張した。
ハマスの非武装化については、7月末に国連加盟国125カ国が、この件に関する国際会議を開催した際、アラブ22カ国が、ハマスは非武装化すべきだと表明してことが注目されていた。したがって、ハマスの非武装化については、すでに国際的にもその必要は認識されているといえる。
しかし、フランス、またイギリスも、パレスチナの国を承認する方針は変えなかった。
これまでにパレスチナ国家を承認すると表明している国(緑)、していない国(灰色)、近いうちに承認すると表明している国(黄)は、地図の通りである。日本は、アメリカに続いて承認しないと表明している。
www.nytimes.com/2025/07/30/world/middleeast/palestinian-state-recognition-maps.html
ハマスは、8月2日(土)、国際社会でパレスチナ国家承認の表明が相次いでいることについて、「10月7日にイスラエルに与えた打撃は、歴史的に非常に重要な成果をもたらした。パレスチナの大義を復活させた。」と、歓迎する声明を出していた。
国連安保理でのサル外相・エブヤタル・デービッドさんの兄がビデオ証言
イスラエルは、ガザの人質について、国連安全保障理事会の開催を要請。8月5日(火)、ニューヨークの国連本部は、年次総会に先駆けて、この件に関する国連安保理を開催した。イスラエルからは、ダノン国連代表と、サル外相が渡米した。
サル外相は、国連安保理開催前のコメントで、次のように語った。
「私は今日、人質のことを国際社会に訴えるために来た。彼らは決して忘れられるべきではない。彼らの即時無条件の解放を訴える。
ハマスは、10月7日に、ナチスやイスラム国のような悪質な犯罪を犯した。251人を人質として連れ去った。50人はまだガザにいる。世界は、2人の人質が、意図的にハマスとイスラム聖戦に、骨と皮になっている酷い拷問下に置かれていることを目撃した。
エビヤタルは、自分の墓を掘らされていた。これはサタニック(悪魔的)だ。ハマスとイスラム聖戦は、飢餓と拷問をサド的に利用してプロパガンダに利用した。
事実は明らかにしなければならない。イスラエルは膨大な量の食糧をガザに搬入した。こんな困難な状況で、このようなこと(敵に食糧を提供する)をする国はどこにもないだろう。
しかし、世界は翻弄していた。この建物の中には、イスラエルに圧力をかけた国がいる。ハマスとの繊細な交渉が行われている最中に、国際社会が、イスラエルを非難し、反イスラエルデモを行い、パレスチナ国家承認にまで言及したのである。それが、ハマスには贈り物となり、戦争を続けさせる結果になった。
サル外相は、「はっきり言わせてもらうが、それらの国々が戦争を長引かせたのだ。この戦争を始めた責任は、10月7日にイスラエルに侵攻して、大犯罪を犯したハマスにある。
また未だに人質を解放し、武器を置くことを拒否することで、この戦争を長引かせている責任もハマスにある。国際的な圧力は、ハマスにかけられなければならない。それ以外のことは、すべて、この戦争を長引かせることになる
安保理会議においては、エビヤタル・デービッドさんの兄、イライさんが、3カ国にビデオで証言した。
イライさんは、ハマスからのビデオが公開されて以来、父は眠れなくなっている。母は泣き止んでいないと語った。またハマスは、十分な食糧を持っているのに、意図的に人質を飢餓という拷問に置いていると非難した。
これについては、プロパガンダビデオに写っていた、エビヤタルさんに缶詰の食糧を渡すハマスの手が、飢餓とは程遠い、健康そのものの腕と手であったことが指摘されていた。
また、国際社会は人質の解放のために動かないということで、今の人質が直面する窮状に加担した。解放が遅れる瞬間、瞬間、最悪の結果に近づいている。この会議に出席している加盟国すべて、また国際社会のリーダーたち。あなたがたの沈黙が、この化け物級の残虐に加担していると訴えた。
ハマスの野蛮な犯罪で、人間の魂が恐れさせられている。しかし、私たち家族は泣き、苦しんでいるが、諦めない。戦い続けると語った。
国連安保理では、アメリカ代表のドロシー・シーア氏が、イスラエルと同じところに立って支持し、すべての責任はハマスにあると述べた。
また、すべての国が、ハマスに、ただちに人質すべてを解放し、この戦争を終わらせるよう、訴えることを呼びかけた。
この間、国連外では、ニューヨーク人質家族の会の人々や、人質2人の恐ろしい様子を見たと言う人質支持者たちが集まり、「国連に対し、人質を解放させ、戦争を終わらせることを要求する」と訴えていた。
www.timesofisrael.com/saar-at-un-plans-to-recognize-palestinian-state-assassinated-the-hostage-deal/
