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地獄状態のガザ地区
ガザの人々は、180万人(230万人中)人が国内避難民となり、北部から南部へ、南部からまたアル・マワシ人道地域(130万人がいる)などへと、移動を強いられ続けている。
人道支援物資不足もさりながら、水不足、トイレ不足はさらに悲惨ではないだろうか。シャワーなどはいうまでもなくである。
暑い夏の到来で、ガザでも気温は、連日35度を超えている。熱中症はじめ、伝染病はさらに拡大している。さらに、ハマスが組織だった管理ができなくなっており、犯罪が横行し、無法状態になっていることは想像に難くない。
www3.nhk.or.jp/news/html/20240622/k10014488731000.html
国際社会は、ガザの人道支援物資が不足して、WFP(国連世界食料計画)は、先月初頭の時点で、すでにガザ北部は飢餓状態にあると言っていたが、今では、餓死する人が出ていると言っている。これらは、イスラエルが搬入を妨害していると非難し続けている。
apnews.com/article/gaza-israel-famine-humanitarian-aid-children-8a4cb5736c42caf50b6e204f40d83a91
しかし、ガザ地区の飢餓状態は、イスラエルの責任だけではない。イスラエルは、ガザに続く検問所3箇所からの搬入を再開している。
ラファの主導がほぼ可能になってからは、日中は戦闘を中断して、物資の搬送に協力するとも発表した。
しかし、実際には、搬入された後、物資が市民たちに届かないということも問題であることがわかってきた。国連と支援団体によると、ガザ内部での法の
秩序が皆無となっており、搬送が危険すぎてできなくなっており、トラック数千台が、検問所で足止めになっている。
そこで、武装集団が運転手を脅迫するなどして、物資が強奪されている。搬送の途中で物資が強奪されてしまうケースもある。
イスラエルが、日中数時間、戦闘を中止して、ラファからの搬入こころみようとしたが、まだ一回も成功していないとAP通信が伝えている。
apnews.com/article/gaza-rafah-crime-hamas-israel-988f2919d00339ded5a18f26feafda6f
イスラエル軍によると、ガザ内部の青空マーケットには、おそらくは強奪された多くの野菜や果物が売られているのが目撃されているが、高すぎて買えずに、飢餓に陥っている可能性もある。
Gardianによると、玉ねぎが通常の50倍の値段で売られているという。パンは20倍。物資は、無料配布されているはずだが、だれかが、強奪して売り捌いているのである。
また、最近の支援物資強奪犯は、燃料や食料、水ではなく、タバコを奪っていく者もいるという。ガザでは、たばこ一本が、35ドルで売買されているという。
ガザ内部で、飢餓に苦しんでいる人がいることは否定できないが、その実際は、国際社会が外から見るものとはだいぶ違っている可能性もある。
またAP通信は、ガザが、戦争が始まる前からすでに、国際社会の支援搬入に頼っていた事実を挙げている。その状態を通常化させたのはハマスである。
www.thinkglobalhealth.org/article/gazas-food-crisis-began-long-israel-hamas-conflict
今のガザの悲惨を作ったのは、イスラエルだけではないということである。
ない、アメリカは、膨大な資金を投じて、ガザ沖に桟橋を作って、物資の搬入を試みたが、悪天候など様々な理由で、搬入できたのはごくわずかにとどまっており、撤去案も上がっているとのこと。
ガザからエジプトへ脱出した10万人:手数料で儲けているエジプト人
ニューヨークタイムスによると、ガザからエジプトへ脱出した人が、これまでに10万人になると、エジプトのパレスチナ大使がインタビューで答えていた。
アメリカの国籍を持っているなど、政府経由で脱出した人もいる。しかし、多くは、エジプト政府と密接につながっている「ハラ」と呼ばれる仲介の会社を経由している。
その手数料は、一人あたり8000から1万5000ドルだという証言がある。
別の証言では、16歳以上で5000ドル、それ以下は。2500ドルだった。ガザの市民の中でも、これだけの資金を持っている人もいたということである。「ハラ」は、VIPの旅行会社とも言っているとのこと。
www.nytimes.com/2024/06/20/world/middleeast/palestinians-gaza-gofundme-egypt.html
この「ハラ」という会社を経営しているのは、カイロで、オルガニグループの会長である、イブラヒム・オルガニ氏。
建設や不動産、セキュリティに関わる大きな企業である。「ハラ」はこの大きな企業の一つの分野だった。
会長のオルガニ氏は、ガザ国境に近いエジプト領内で生まれている。
有力なビジネスマンとなってからは、エジプト政府との関係を維持しながら、パレスチナ人を救出する組織として「ハラ」を運営していた。
しかし、助けるとはいえ、お金持ちだけである。オルガニ氏とエジプト政府がどのぐらい儲けを分けているのかは不明。「ハラ」は、最近、ネットのサイトから削除されているとのこと。
国際社会は、ガザの人々をかわいそうとしかみないが、現状はかなり複雑である。