ガザのハマス戦闘員2万人・武装解除拒否:ハマスの背景にイスラムの終末論? 2027.2.8

Senior Hamas leader Khaled Mashaal is interviewed by Al Jazeera on February 8, 2026 (Screenshot/YouTube)

イランについて、イスラムの尊厳ということをコメントしたが、それはハマスにも当てはまるようである。ガザだけでなく、西岸地区でもイスラエルには絶対屈しない様相である。

ガザのハマスが武装解除拒否:今も戦闘員2万人とライフルも数万丁

トランプ大統領は、ガザに新しいパレスチナ文民による新たな統治システムを構築しようとしているが、次の段階として、ハマスの武装解除が成立するかどうかが大きな注目点である。

イスラエルが懸念するのは、トランプ大統領が出したガザに関する20項目の中に、ハマスの武装解除を明言していない点である。

イスラエルによると、ガザにいるハマス武装勢力は、現在も2万人はおり、大量の武器と、数万本のライフルを保有している。

ハマスは、新たな統治システムに武器を明け渡す可能性は示唆しているが、その統治システムに関与する可能性もあり、その場合、武器を明け渡しても全く意味がないことになる。

こうした中、ドーハにいるハマス最高指導者の一人、カリード・マシャアルが、2月8日(日)、ドーハでの会議(アルジャジーラによるカンファレンス)において、ハマスの武装解除は、“抵抗運動”を犯罪化するものだとして、これを受け入れないと明言した。また、ガザに外国の軍隊が入ることも拒否した。

しかし、その代替案として、5年から7年、10年にも及ぶ長期停戦とし、その間、武器は使わないとする代替案を出した。これについて、トルコ、カタール、エジプトなどが、取り組んでいるとも語った。

この3国のうち、トルコとカタールはイスラエルがガザへの関与を拒否している国々である。このハマスの案にイスラエルが賛同するかどうか、きわめて懐疑的だと言われている。

こうした中、トランプ大統領は、2月19日(木)に、ワシントンに26か国を招いて、ガザの平和評議会を開催すると発表した。ガザ復興に向けた投資の話をするとのこと。

しかし、この日は、よりにもよって、イスラム教ラマダンが始まる日であり、アラブ諸国からの参加は懸念される。イスラムへの敬意不足と取られても仕方ないだろう。

イスラエル攻撃の背後にあるイスラムの信仰:イエスの再臨も含むイスラム教の終末論

イランとその傀儡がなぜここまでイスラエルへの抵抗を続けるのかについて、それは単なる占領問題への“抵抗運動”ではないとの指摘がある。ワールド・プレイヤー・センターは、以下の記事で、イスラム教の終末論を知る重要だと解説している。

worldprayer.org.uk/resources/understanding-the-islamic-end-times/

聖書を読むと、この世界が終わりを迎える時、終末の時代が来ることがわかる。キリスト教では、混乱の世界に救世主メシアとして、イエスが来る。十字架と復活の1回目に続いて、2回目、再臨すると考えられている。

同様に、イスラム教でも、この世界には終わりが来ると教えられている。興味深いことに、イスラム教も同様で、混乱の世界にメシアであるマフディ(導かれし者)が来ると教えている。

このマフディが、世界から悪を取り除き、軍事的にイスラム国家を樹立する。エルサレムはその中に含まれるとされる。

しかし、エルサレムは、ユダヤ人の神殿があった場所であり、ユダヤ人にとっても絶対に譲れない地である。

このため、イスラム教では、ユダヤ人とその国イスラエルをエルサレムから追放すること、その戦いで死亡することは殉教になる。イスラム教の経典ハディスに明記されている。これがジハード(聖戦)である。

イランが、アメリカとイスラエルに、どんなリスクを抱えてでも絶対屈しないというのは、このイスラムの最大の栄誉に逆らうことになるからである。

これはハマスにも通じるもので、いかにガザの子供たちが犠牲になろうが、この尊厳と栄誉の方が優先される。10月7日のイスラエル襲撃の動機はここにある。

となれば、ハマスがイスラエルと交渉する余地はないのであり、戦いは終わらないということである。

しかし興味深いことに、イスラムの終末論には、イエスの再臨が含まれている。しかし、イエスはイスラム教徒として再臨し、イスラムのメシア、マフディとともにユダヤ人と戦って、エルサレムを含むイスラムの領域を奪回すると教えられている。

ムフディとイエスが、世界を征服してイスラムの世界を完成し、神学上の誤りを是正すと信じられている。シーア派とスンニ派に若干の違いはあるが、おおむねこの流れだと言う。

イラン政権、またハマスたちも、これを本気で信じている中で、今、イスラエルに敵対しているのである。

イスラエルをとりまく敵との戦いにおいて、政治的なことのみならず、こうした霊的な背景を知りつつ、ハマスたちの目が開かれることを祈るよう、ワールドプレイヤーセンターは示唆している。この記事は、今の状況をわかりやすく解説していると思うのでおすすめ。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。