ガザのカン・ユニス再攻撃でイスラエル兵2人戦死:避難するパレスチナ群衆 2024.7.3

IDF ガザ

ガザ戦闘続く:イスラエル兵また2人戦死

ネタニヤフ首相は、もうすぐガザでの戦闘は終了に向かうとの見通しを発表していたが、ガザからは、ロケット弾約20発が発射され、今も残存するハマスたちが、各地で再集結しており、イスラエル軍は対処に追われている。

Reuters Graphics

戦闘が続いているのは、ラファ、ガザ市シャザイヤ、ネツァリム回廊、またハンユニスでも戦闘になっている。

地上軍を支援する戦闘機やヘリコプターが、30カ所以上を攻撃した。これまでに、武器庫や、テロ組織インフラ、1キロに及ぶ地下トンネルを破壊したとのこと。

地上軍は、先にガザ市のシャザイヤ地域から、市民へ避難するよう指示したあと、シャザイヤで激戦となり、イスラエル兵も1人が死亡。

続いて昨日2日、イスラエル軍は、カン・ユニスの市民たちに、人道地域へ非難するよう指示する中、ハマス戦闘員らとの激しい戦闘となった。カンユニスには、人道地域にも近く大勢が避難している。移動は大規模になった。

カンユニスは、イスラエルが以前4か月かけて作戦を実施したあと、一旦撤退していた地域である。その後、ハマスが再結成し始めていたため、戦闘となった。ガザ保健省は、この時の攻撃で8人が死亡。30人が負傷したと報告している。

一方、イスラエル兵も2人が死亡した。死亡したのは、ナダフ・エルハナン・ノラ上級軍曹(30)と、エイヤル・アブニオン少佐(25)であった。イスラエル兵の戦死者は322人となった。

www.timesofisrael.com/two-soldiers-killed-in-gaza-combat-as-idf-strikes-terror-targets-in-khan-younis/

なお、カンユニスは、大きな難民キャンプで、今も多くの避難民がおり、ヨーロッパ系の戦時下病院もあった。病院は、イスラエルの指示で、皆避難し、今は空っぽになっているとイスラエル軍入っている。アルジャジーラは、これとばかりに、この暑さの中、ストレッチャーで非難する人々の様子を報じていた。

戦闘は終わりに近づいているのか?これからどうなる?(元イスラエル軍准将のアミール・アヴィヴィ氏)

ハマスが再結成するなど、ガザでの戦闘は終わるようには見えない。IDSF(Israel Defence and Security Forum)のCEOで元イスラエル軍准将のアミール・アヴィヴィ氏は、次のように語っている。

“軍事組織としてのハマスについては、終わりに近づいているようだが、トンネルやそのインフラは、ガザ全土に広がっており、ハマスの残党が隠れている。それらをを全部破壊するには何年もかかるだろう。

ハマスは再結成を繰り返しているので、エジプトとの通路を確実に封鎖して補給路を立ち、弱体化していく必要がある。同時に、人道支援にも関わる行政組織としてのハマスも打倒しなければならない。これは長いプロセスになる。

戦後ガザについて、イスラエルは、地元民による自治体を立ち上げる必要があるが、その前にハマスを打倒しなければならない。したがって、ハマス打倒の戦闘を続けながら、一歩づつ、地元民に地域の管理を移行する作業を行うことになる。これは長いプロセスだ。“

このコメントからすると、一時的にでも今、イスラエルが停戦に入るとは思えない様相である。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。