ガザでの反ハマスデモ2日目・参加者数千人に拡大 2025.3.27

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ガザでの反ハマスデモ:2日連続

ガザでは、3月25日(火)に、主にベイトラヒヤで反ハマスデモが発生したが、翌26日(水)には、ベイトラヒヤで3000人、シャジャイヤでも発生し、参加者は数千人と拡大していた。

デモに参加した人は、「ハマスは我々を代表していない」「人々はハマスの崩壊を望んでいる」「出ていけ、ハマスは出ていけ」と書いたプラカードを持って歩いた。

ガザの人々は、1年半に及ぶ戦争で、多くが家族を失っている。60日の停戦で、それぞれの家に戻り、その破壊を目にしたことだろう。そうした中で、イスラエルの攻撃が再開された。前よりも激しい攻撃である。

昨日、イスラエルのカッツ国防相は、ガザの人々に対し、イスラエルの攻撃は今後も続くと警告し、人質を返還してハマスと追い出すことが戦争を止めることになると、デモを行っている人々を励ますような声明を出した。

しかし、ハマスに出ていけといったからといって、それを攻撃しているイスラエルに好意を向けているというわけではない。人々の怒りは、ハマスだけでなく、イスラエル、また世界にも向けられている。

しかし、そこに政治的な意図はない。もう何も残ってない。とにかく殺戮をやめてほしい。イスラエルの占領を止めることはできないが、ハマスは止められるかもしれないとも言っている。必死なのである。

しかし、ここから人々がハマスを本当に追い出すことができるか。人質をハマスから取って、イスラエルに戻すことができるかといえば、それはまだ先のことだろう。ハマスの地下トンネルは膨大で、海外にいるハマスも多いのである。

www.timesofisrael.com/demonstrations-swell-as-thousands-join-second-day-of-protests-against-hamas-in-gaza/

ただYnetニュースは、ガザの人々が苦難の原因を作ったのがハマスだと声を上げたことだけでも希望だと書いていた。

www.ynetnews.com/article/rkhgdwmtye

*ハマスはどのぐらい打撃を受けているのか

Ynetによると、2021年にハマスの政治局メンバーとして移っているハマス幹部は、もうほとんどガザにお残っていないとのこと。

写真の赤丸の人物は死亡し、緑丸の人物はガザの外にいる。

シンワルは映っているが、イシュマエル・ハニエや、サレハ・アルーリなどは、映っていないが、二人とも既に死亡している。

しかし、ガザでは戦闘員を新たに雇って、戦力を回復しているとの情報もあり、地下トンネルもまだまだ残っており、そこに存続のための物資や武器もあるとも言われている。実際の全貌はわかっていないといえる。

www.ynetnews.com/article/syd4200lake

石のひとりごと

ガザの人々による、反ハマスデモも、反イスラエルデモも、見た目はそう変わらないことに妙な感覚を覚える。アラーアクバルといった声もチラッと聞こえるような。。

中東では、サバイバルのために、どちらにでもつく傾向があるので、今こういう意見をいっていても、次にさっと変わっていることもある。そうしないと生きていけないからである。

今、ハマスに反旗を翻している人も、おそらく少し前までは、ハマスを応援する立場を、少なくとも表ではしていたかもしれない。今は必死にハマスを非難している。

ここからどうなっていくのか、先は本当に見えないが、とにかく戦争と人が死ぬことはやめてほしいと訴えている人々の声。それはイスラエルも同じである。この声が天に届くように!

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。