ガザが停戦になればヒズボラも戦闘を停止する?:ヒズボラとイランのコメント 2024.7.3

Lebanon, July 2, 2024. (AP Photo/Bilal Hussein)

緊張する北部情勢。2日もキリアットシモナに15発のミサイルが発射された。10発は迎撃し、残り5発は着弾したが、大きな被害はなかった。

相変わらず、これまでと同じような攻撃の応酬が続いているが、大規模な攻撃にはなっていない。

ヒズボラとイランのコメント

1) イスラエルがハマスと停戦になればヒズボラも攻撃を停止する:ヒズボラNo2

こうした中、2日、ヒズボラのNO2であるシェイク・ナイム・カセムが、AP通信のインタビューの中で、ヒズボラが、イスラエルを攻撃するのは、ハマス支援が目的であるとして、ガザでの戦闘が、恒久的な停戦になるなら、ヒズボラもイスラエルへの攻撃を停止すると述べた。

しかし、ハマスの要求と同様、完全な停戦であって、イスラエル軍が完全にガザから撤退することを挙げている。

仲介者としてのアメリカと国際社会も合意し、イスラエルも合意している停戦案は、まず第一段階として、イスラエルが攻撃を停止し、ハマスは人質33人を解放する。その後、恒久的な停戦について交渉を進めるという内容である。

ハマスはこれに合意せず、上記のような訂正した形の停戦案を出してきたのであった。人質の解放は、椅子れるの完全撤退を確認した後ということである。アメリカもイスラエルもこれには同意しておらず、交渉はまた、頓挫した状態にある。

www.timesofisrael.com/hezbollahs-no-2-says-terror-group-will-halt-its-attacks-if-gaza-ceasefire-reached/

2)イスラエルとヒズボラが戦争になればイランはヒズボラ側に立つ

ヒズボラ背後にいるイランからも声明が出ている。

イラン外交顧問のカマル・ハラズィ氏は、アメリカのメディアに答えて、もし、ヒズボラとイスラエルが戦争になれば、イランはあらゆる方法でヒズボラ側に立つと述べた。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/top-adviser-to-khamenei-says-iran-will-back-hezbollah-with-all-means-if-war-breaks-out/

また、イラン革命防衛隊の空軍准将であるアミール・アリ・ハジザダは、4月にイランがイスラエルを攻撃したのに続いて、再びイスラエルを攻撃する機会を待ち望んでいると述べた。

その時に何発のミサイルが使われるかはわからないと述べ、パレスチナはレバノンで使われている武器を見れば、イランの供給を受けていることは明らかだと述べた。要するに、あらゆる方向から攻撃が可能だと脅迫しているといえる。

www.timesofisrael.com/iranian-general-says-itching-to-carry-out-another-direct-missile-attack-on-israel/

イスラエルはどうする?戦争は避けられないと元イスラエル軍准将のアミール・アヴィヴィ氏

IDSF

IDSF(Israel Defence and Security Forum)のCEOで、元イスラエル軍准将のアミール・アヴィヴィ氏は、イスラエルがまだ大規模な攻撃に踏み込んでいないのは、当初から言っていたように、まずガザで勝利してから北部に対処する計画だからだと語る。

idsf.org.il/en/

“北部において、イスラエルは、安保理決議1701にあるように、ヒズボラには、リタニ川以北に下がってもらわなければならない。外交において、これが実現できるのか、そうでないのか、政府は見極めなければならない。

しかし、ヒズボラがだまってリタニ川北部にまで下がる可能性は、かなり低いので、戦争は避けられないと考えている。

戦争は、集中して膨大なものになり、短期間で終る。イスラエルは、レバノン国内、特に南部のヒズボラのインフラを集中的に攻撃する。ヒズボラもイスラエル国内にミサイルを撃ってくるだろう。

しかし、ガザのように長引くことはなく、短期で終わり、すぐに停戦になるだろう。両者ともに戦争は望んでいないと言っているからである。“ 以下のクリップ後半からが、ヒズボラに関する分析。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。