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ガザから遺体2人帰還
10月15日(水)夜、2人の遺体がハマスから赤十字に引き渡された。テルアビブの法医学センターでの鑑定の結果、最後の女性人質だったインバル・ヘイマンさん(27)と、ムハンマド・アル・アトラシュ軍曹であることが判明した。
インバル・ヘイマンさん(27)は、ハイファ出身のグラフィティ・アーティスト(公共の壁などにスプレーなどで絵を描くアーティスト)で、「ピンクとレイヴン」という名で、国内外に知られた人だった。
ノヴァ・ミュージック・フェスでは、ダンサーのサポート役をしていて、ハマスに拉致され、2023年12月にはすでに死亡が確認されていた。結婚4年目の夫、ノアム・アロンさん、両親と弟が遺族となった。
ムハンマド・アル・アトラシュ軍曹(39)はベドウィンから従軍し、ガザ北部の部隊で追跡員をしていた。10月7日の戦闘ですでに死亡し、その後遺体がガザに拉致されていた。
ムハンマドさんには、13人の子供(生後1ヶ月から18歳)があった。兄弟姉妹は22人。動物が好きで、将来は、ふれあい動物園を作る夢を持っていたという。
まさにハマスは、この2人とその家族の世界を破壊したということである。
www.ynetnews.com/article/sj2tveaalx
イスラエル国内では、遺体の中で戦死者を軍が正式に葬り、国会では、ユダヤ暦で10月7日にあたる本日、国会の国旗を半旗にするなど、国をあげて、深い悲しみを共有している。
Lowering flags to half staff outside the Knesset (📹 נתן ווייל, דוברות הכנסת) pic.twitter.com/R5xumucHm1
— Sam Sokol (@SamuelSokol) October 16, 2025
把握している遺体はこれが最後とハマス:戦闘再開を抑えようとするアメリカ
10月13日(月)、ハマスは生存する人質20人を解放し、続いて28人の遺体を返還する約束である。しかし、3日たった時点で、返還した遺体は9人だけである。
1人は、ガザ住民の遺体であった。イスラエルはその遺体をすでにガザに送り返している。
ハマスはまだ19人の遺体を返還しなければならない。しかし、ハマスは堂々と、今アクセスがある遺体はこれが最後だと表明した。ハマスは、当初の約束は、「到達可能な遺体」と返還するとしていたとして、合意違反ではないと主張している。
イスラエルは、28人の遺体全員を返さない限り、第二段階には進まないと主張。カッツ国防相は、ハマスが、停戦協定を遵守しない場合は、アメリカと協力して戦闘を再開させると警告。その場合は、ハマスの完全打倒し、ガザの非過激化という戦争の目標を達成すると述べた。
www.jpost.com/israel-news/article-870560

これに対し、戦闘再開を阻止したいトランプ大統領は、「ハマスは捜索に全力を尽くしている。しかし、遺体の捜索は、瓦礫の下や、深いトンネルの中にあるとみられる。その周辺には、多数の不発弾があり、困難を極めている」と述べた。
これについて、ハマスは遺体をすべて把握しているのに、時間稼ぎをしているとの見方もある。
しかし、アメリカは、全員を返還するまでには、少なくとも数週間はかかる見通しだと語っている。アメリカは、ハマスが20人の生存人質を解放したことを大きく評価し、遺体の解放に時間がかかることも認める様相である。
アメリカは、遺体発見を早めるため、情報を共有するガザ市民に、報酬を払うことを検討しているとのこと。また、遺体の捜索に、地震が多く、瓦礫の下からの遺体回収の経験があるトルコに遺体の捜索に協力依頼もしているとのこと。
トランプ大統領の顧問は、イスラエルに対し、「全員帰国に向けて努力している。誰もおきざりにしない。」と語っている。
