カナダのTIFF(カナダ国際映画祭)が、今週、10月7日のハマス数千人侵攻の被害にあったキブツ・ナハル・オズで、ハアレツの記者である息子アミール・ティボンさんを助けに走った父親で元イスラエル軍将軍のノーム・ティボンさんに関するドキュメンタリー映画(監督はカナダ人)の招待を却下すると発表し、物議となった。
タイトルは、「The Road Between Us: The Ultimate Rescue(私たちの間の道:究極の救出)」
このキブツでは、住民400人の4分の1が殺害されるか人質にとられており、最も被害が大きかった地域である。ドキュメンタリーでは、ハマスが身につけていたカメラ映像が使われている。主催者は、それらの映像の著作権がハマスにあり、使えないことが理由だと言った。
映画の主題となったノームさんは、「トロント映画祭は、圧力と脅迫に屈して、10月7日の暴力を沈黙させる道を選んだ」と落胆を表明。
イスラエルのサル外相は、虐殺犯の著作権に敬意を表していることにショックを受けたとして、「このフェスティバルは、アウシュビッツの映像の著作権をヒトラーやゲッペルスに求めるのだろう」と語った。
上記ニュースでは、弁護士が、カナダでは、反ユダヤ主義暴力が悪化の傾向にある。ユダヤ人がこの件に不満を訴えても何も変わらないだろうと言っている。
Times of Israelによると、この映画は、9月上旬に、トロントのユダヤ人コミュニティの上映会で上映されるとのこと。
しかし、イスラエルから激しい落胆の反応が出た後、TIFFのCEOキャメロン・バイレイ氏は、国内からもかなりの批判と圧力を受けたようである。
最初の発表から2日後、バイレイ氏は、映画制作者のバリー・アヴリッチ氏とともに、この件を撤回。この映画をTIFFに招待すると発表した。
バイレイ氏によると、TIFFが障害と懸念していたことを明確に表現していなかったと述べ、映画製造者のアヴリッチ氏とともに、問題はすべて解決したと語っている。
www.israelnationalnews.com/news/413311
<石のひとりごと>
この件については、世論からの激しい非難が出たことと、TIFFがすぐ態度を変えたことはよかったと思う。逆にこの映画への注目が高まったかもしれない。
しかし、いったん、拒否したという事実は撤回できないことである。こうしたユダヤ人への不条理な扱いからは、第二次世界大戦前の世界を思わせられたところである。
