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カタールからバルネア長官帰国
カタールでは、18日夜、カタールとアメリカを仲介に、ハマスとイスラエルの人質と停戦に関する交渉が再開されたが、イスラエル代表のバルネア・モサド長官は、代表団の一部をドーハに残して19日、イスラエルへ帰国した。
報告によると、ハマスのシンワル(交渉の場にはいない)は、今もハマスが優勢だと信じているとも言われ、どこまで停戦を感がているのかわかりにくく、時間稼ぎをしているだけにも見えるという。
一方、イスラエルのネタニヤフ首相も、ハマス殲滅を目標にラファへの攻撃はやめないと言っており、こちらも時間稼ぎしているだけなのかもしれない。
こうした中で、シファ病院での戦闘が続いているため、ハマスのイシュマイル・ハニエは、イスラエルが停戦を妨害していると言っている。交渉の行方はまだ悲観的にしかみえず、少なくとも2週間はかかると言われている
www.timesofisrael.com/mossad-chief-said-to-brief-war-cabinet-on-qatar-talks-officials-pessimistic/
バイデン政権(民主党)がラファ攻撃の代替案提示か:ブリンケン米国務長官中東入り
アメリカのバイデン政権は、なんとかイスラエルのラファ攻撃を押しとどめようとしている。
そのため、イスラエルが、ラファへ突入して、ハマス4大隊を壊滅しなくても、ガザが無力になる別の方法を提案する予定との情報がある。
それによると、ガザとエジプトの間にあるフィラデルフィ回廊と呼ばれる地域を遮断して、今後、エジプトからガザへ武器が密輸されないようにするというものである。
来週イスラエルからは、代表団が、ワシントン入りする予定で、その時にその話題になるとみられている。
また、ブリンケン米国務長官は、13日から、また中東入りしている。サウジアラビアを訪問後、カイロ入りして、パレスチナ自治政府高官も含め、停戦についての交渉を行うとのこと。
しかし、ネタニヤフ首相は、ラファ攻撃の停止は全く考えていないので、アメリカの提案をどう受け取るかは不明である。
ネタニヤフ首相がアメリカの民主党・共和党対峙に訴えか
こうした態度について、民主党・バイデン政権のアメリカの上院議員チャック・シューマー氏(ユダヤ人)が、「ネタニヤフ首相はイスラエルのためになる決断をしていない。退陣して、総選挙をするべきだ」と明確に批判した。
これを受けて、ネタニヤフ首相は、20日、上院の共和党議員たちに対し、オンライン・非公開でメッセージを発信。出席者によると、ネタニヤフ首相は、シューマー上院議員の発言は、完全に不適切で法外だと厳しく批判したという。
アメリカが選挙前で民主党と共和党が対峙している中でのことだったので、ネタニヤフ首相が、両党の対立に火をつけたとの批判もある。
www.nytimes.com/2024/03/20/us/politics/netanyahu-schumer-israel.html
ただ今、アメリカ政府を動かしているのは、民主党のバイデン政権なので、それに反発することをするのが賢明なのかどうかは少々懸念。。
ネタニヤフ首相辞任要求に傾く人質家族たちと支援者:イスラエル全体は?
アメリカのシューマー上院議員だけでなく、イスラエル国内でもネタニヤフ首相退陣を求める声がある。人質家族たちは、諦めず、毎週のように、人質解放を優先し、ハマスとの交渉を進めるように訴えているが、徐々に、政治的にネタニヤフ首相の退陣を求めるようになっている。
פעילי מחאת הנשים לשחרור החטופים וכמה בני משפחות חוסמים עכשיו את איילון צפון סמוך ללה גרדיה בתל אביב pic.twitter.com/KpewXYfxFh
— Bar Peleg (@bar_peleg) March 20, 2024
ただイスラエル国民は、全体的にみれば、ネタニヤフ首相は支持しないとしても、右に傾く傾向にある。人質家族の手前、はっきりとは表明しないが、とりあえずは、ハマスを殲滅する必要を支持する人が半分にのぼっている。
ネタニヤフ首相の支持率が急落し、人質家族たちには、退陣デモをされても、強気姿勢を崩さないのもそういう国内の事情がある。