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ガザ情勢から世界に広がるイスラエル非難
ガザから発信される飢えた子供たちの写真に国際社会はショックを受けた。その原因は、イスラエルが、ガザへの食糧搬入を止めたからだと直結して報じたため、世界にイスラエルに対する非難が広がることになった。
イスラエルを非難することが正義に見えるようになったのか、オーストラリアの首都シドニーでは、8月3日(日)、ハーバーブリッジを埋め尽くす人々が、ただちにガザへ食糧を持ち込むよう、訴えるラリーを行った。
参加者は、予想を超える9万人と報じられたが、親パレスチナ関係によると、30万人が参加した可能性があるとも言っている。
以下は非常にエクサイトした様子で、イスラエルを非難する人々の様子。
このラリーは、イスラエルがジェノサイドを行っていると訴える「March for Humanity人間性のためのマーチ」が主催するものであった。「世界中が集まれば悪を克服できる」などと叫び、小さな子供を連れた家族連れも多かった。オーストラリアの外相も参加していた。
またインティファーダ(パレスチナ人の蜂起でイスラエル人へのテロを含む)万歳と叫んだり、イランのハメネイ師の写真を掲げている者もいた。
The rain didn’t stop us. A historic march. pic.twitter.com/zExuNAkGx9
— 💧Mary Kostakidis (@MaryKostakidis) August 3, 2025
現代版「血の中傷」:飢餓の子供と母親の写真がイエスとその母マリアと繋がる効果も?
このように、社会全体が、イスラエルを非難することが正義だと言っている様子は、いわゆるユダヤ人に対する「血の中傷」を彷彿とさせられる様相である。
ナチスドイツは、第二次世界大戦に突入するにあたり、ユダヤ人がいたから、ドイツは第一次世界大戦に負けたのだとプロパガンダを流して、ドイツ国民が一致してユダヤ人を排斥することで国を一致させようとした。
ヒトラーが利用したのが、昔からある「血の中傷」の伝説である。聖書によると、ユダヤ人たちは、ローマ帝国のユダヤ州総督ピラトにイエスを十字架にかけろと要求したと書いてある。このために、1世紀以後、世界に拡大していくキリスト教会では、ユダヤ人は悪魔関係者であると教えられたのであった。
これはもちろん誹謗中傷である。イエスもその弟子たちも皆ユダヤ人だった。またイエスが十字架で死んで復活したことを信じることで、罪が赦されて救われるというのが、キリスト教の信仰である。
それを実現したのが、ユダヤ人であるので、その人々を憎み、悪魔だといって迫害する文化を世界に広げたことは、実に皮肉な間違いだったと言える。*この件を深く悔い改めているのが福音派である。
しかし、このことが原点となり、世界に反ユダヤ主義が拡大していった。やがて、ユダヤ人は、過越の祭りの際に、キリスト教徒の子供を殺して、その血で、過越の祭りを祝っているという、事実無根の誹謗中傷が、出るようになり、それを理由に、ユダヤ人を迫害するという現象が始まっていった。
このユダヤ人に対する暴力は、時代を超えて発生するようになり、やがてイスラム諸国でもこの現象が起こるようになっていったのである。「血の中傷」は日本にはないが、理由なく、ユダヤ人を憎む不可解な現象である。
Ynetは、今世界で起こっている、反イスラエル(ユダヤ人の国)主義の波は、ガザが飢餓状態にあり、それがイスラエルによってもたらされたと信じる人々の正義感から出ていることから、近代版「血の中傷」だと書いている。
特に、ガザの母親と子供の写真が、マリアとイエスを彷彿とさせているのではないかと書いている。この写真は、モハンマド・アル・ムタワク君(1歳半)とその母親の写真である。
モハンマド君は、生まれつきの神経障害と筋肉疾患を患っていることが明らかとなった。ただ医師たちは、その病気だけでは、ここまでの衰弱にはなりえないとして、やはり十分な栄養が行き届いていないのではないかとのコメントを出している。
ガザで食糧が、十分行き渡っていないことは否定できないだろう。しかし、その原因となっているのは、イスラエルではない。イスラエルは十分、ガザの中へ搬入している。問題は、そこから末端に行かないということなのである。
8-9割は、ハマスが強奪し、それを高値で販売していたとみられている。貧しい人は、それを買えないので、食糧不足になっている可能性が高い。
しかし、世界はそんなことには目を向けず、直行で、イスラエル悪魔視になりつつある可能性が可燃されるのである。
石のひとりごと
シドニーのラリーを見て、まさにホロコースト時代のドイツを思わされてぞっとした。
私たちも注意しなければならない。日本でも、先日、以前セミナーをしたことがある学校教師と話していた時、今はやはり、イスラエルはタブー。タイトルを変えないと、セミナーは難しいと言っていた。
これからの時代、自分の認識だけで、正義を判断すると、反イスラエルに流れる可能性が高くなるかもしれない。私たちクリスチャンは、特に聖書を土台に主の価値観で判断しなければならない。
主はイスラエルが、たとえ正しくなくても、見捨てることはない。彼らを悔い改めに導いて、最後には彼らを主の元に引き寄せることになる。その時、イスラエルを非難攻撃した国は裁かれることになると書かれている。
見よ。わたしがユダとエルサレムの繁栄を元どおりにする、その日、その時、わたしはすべての国民を集め、彼らがヨシャパテの谷に連れ下り、その所で、彼らがわたしの民、わたしのゆずりの地イスラエルにしたことで彼らをさばく。彼らはわたしの民を諸国の民の間に散らし、わたしの血を自分たちの間で分け取ったからだ。
(ヨエル3:1-3)
