ここしばらく、反イスラエルの風潮が高まっているオーストラリアだが、8月26日(火)、アルバネーゼ首相が、スパイ組織AISOの調査の結果、昨年発生した、2件の反ユダヤ主義放火時件の背景にいたのはイランであったことが判明したと発表。
イランがオーストラリア国内の分断を引き起こそうとしていたと述べ、他国でそのような事件を行うことは危険な侵略行為にあたると厳しく非難し、イランの革命防衛隊をテロ組織に指定。在オーストラリアのイラン外交官を追放したと発表した。
併せて、イランに派遣していたオーストラリアの外交官も呼び戻した。オーストラリアが他国の外交官を追放するのは、第二次世界大戦以来とのこと。
アルバネーゼ首相が指摘する事件は、2024年、10月20日早朝に、シドニーのボンダイビーチにあるコシェルのレストランが放火された事件と、同年12月6日に、メルボルンのアダス・イスラエル・シナゴーグが放火された2件である。いずれも物損だけで、負傷者はなかった。
オーストラリアのアルバネーゼ首相は、国内で広がる反イスラエルの風潮の中、パレスチナ国家承認の方針を発表。その後、イスラエルの強硬右派議員のシムハ・ロスマン氏の入国ビザを出発直前にキャンセルして、両国の関係はかなり冷え切っていた。
その後、ネタニヤフ首相が、アルバネーゼ首相に対し、反ユダヤ主義暴力に対してなにもしていないと個人的に非難する書簡を出したのは、今回の発表のわずか1週間前である。その後、オーストラリアでは、全国で、大規模な反イスラエルデモが発生していた。
政府のこの動きが、オーストラリア全体の反ユダヤ、反イスラエルの流れにどう影響していくかはわからない。しかし、オーストラリアのイスラエル大使館は、この方針に歓迎を表明。これは長い間、提唱してきたことだったと述べた。
www.nytimes.com/2025/08/26/world/australia/australia-iran-antisemitic-attacks.html
