少し前のニュースだが、日本からも訪問した人も多いエン・ゲディでの事件なので、書き留めておこうと思う。
8月24日、エン・ゲディのトレッキングルートで、突然、巨大な岩石がころげおち、家族と共にハイキングを楽しんでいたヤフダ・レヴィ君(8)が死亡。8人のイスラエル人とイタリアからの観光客が負傷した。
エン・ゲディは、死海に面していながら、内陸の山地からところどころ滝となって淡水が流れて、せせらぎのようになっており、さまざまな木々も生えている。
イスラエル観光のシンボルであるアイベックス(ツノがあるヤギ)や岩ダヌキなどの動物にも出会える。生物が生きられない死海のそばで、乾いた砂漠の真中にあるまさに、オアシスである。
ここは、聖書に出てくるダビデ王が、ソロモン王からの逃避行を続けていた時に、立ち寄ったとところとしても知られる。
イスラエル人の学校の遠足や、親子、観光客にも人気の国立公園、自然保護区である。
しかし、行ったことのある人ならわかるが、大きな岩が、まるでひっかかったようになっているところも多く、あの岩がどうして落ちてこないのかという景色が多々見られる。
www.timesofisrael.com/five-year-old-boy-killed-eight-hurt-in-rockslide-near-the-dead-sea/
今回事故が発生した地点は、入り口から歩いて25分ぐらいのナハル・デービッドであった。救急車が入れる場所ではないので、空軍衛生兵のヘリコプターが救急隊を吊り下ろして救助にあたったという。
死亡したヤフダ君意外の負傷者は、4歳、12歳少女が中等度、40代女性と20代男性(イタリア人観光客)が中等度、子供含む4人が軽傷であった。
こんな事件があっても、イスラエルでは、この国立公園への入場禁止にはなっていない。
日本と感覚が違うかもしれないが、事故が発生したのは、国立公園の責任だと論争にはなっていない。これまでからも、危険も覚悟の上で、皆それぞれが注意しつつ、自己責任において、トレッキングを楽しんできたのである。これからも変わらないだろう。
ただ、新学期を前に、8歳の子供を失った家族たちの苦悩と悲しみは覚えて祈りたい。