以下は、フォーラムが始まる直前のエルサレムの様子である。イスラエル内外は非常に混乱する中、これほどの大きなイベントをやり遂げることができるのは、イスラエルぐらいだろう。
・・・正式な政府なし状態が1年と内政は混乱、イラン問題など、イスラエルをとりまく情勢もかなり厳しいが、エルサレムの日常は相変わらずである。金曜安息日入りの前のシュック(市場)は、身動きとれない超満員。安息日のパン、おいしい野菜、果物、肉類と祝福溢れる賑やかさだった。
土曜の朝は、バスも電車も止まる安息日。曇り時々雨だったが、通りには、祈りの書やタリートを手にシナゴーグへ行く男性たちや家族づれが歩いていた。ユダヤ人が、ユダヤ人らしい服装で、安息日に堂々とシナゴーグへ行けるのは、イスラエルぐらいだろう。
メシアニックのコングリゲーション、エルサレム・アッセンブリーの礼拝も会堂いっぱいだった。老若男女子供たちと300人以上はいただろう。ユダヤ人と、世界の四隅から来ているとみられる異邦人、白人、黒人、黄色人、皆がヘブライ語で賛美し、共に礼拝を捧げた。
午後は、あいにくの天気とあって皆が休んでいるのか、車もほとんど走らず、静まり返っていた。本当にリラックスする安息日だった。
ニュースは緊張いっぱいだが、実際に全国を巻き込むような戦争にならない限り、エルサレムの日常は、たいがい、このようなであると思っていた頂ければと思う。
<エルサレム旧市街とヘブロンで衝突>
とはいえ、これもまた、日常化してしまっている旧市街のパレスチナ人関連の騒ぎがなかったわけではない。金曜朝、神殿の丘で、イスラム教徒約8000人が、祈りの後、ユダヤ人に挑戦するようなシュプレヒコールを上げたため、治安部隊がまもなくこれを取り押さえた。
www.timesofisrael.com/muslims-chant-about-killing-jews-outside-jerusalems-temple-mount/
土曜午前中、旧市街のダマスカス門では、パレスチナ人の女性(50代)が、ナイフテロを試みて逮捕された。警備隊員が軽傷を負った。大事のようだが、瞬時に片付いて、すぐに何もなかったかのように日常に戻る。観光客は何事がおこったかもしらないまま、ガイドに連れられて旧市街を歩いていたと思われる。
エルサレムではないが、上記事件の午後、ヘブロンでは、マクペラの洞窟で、ユダヤ人(22)がパレスチナ人に刺されて中等度の負傷となった。こちらも現行犯逮捕となった。
www.jpost.com/Breaking-News/Stabbing-attempted-at-Cave-of-the-Patriarchs-report-614539
ヘブロンでは、先月、ベネット防衛相が、ヘブロンの元パレスチナ人マーケットをユダヤ人の家屋にする許可を出してから、緊張と今回の事件のようなことが、続いているという。これもまた、悲しい、また困った日常になっているようである。
<国際アウシュビッツ解放75周年記念式典:22-23日>
エルサレムのもう一つの日常は、時折世界の首脳がやってきて、市内のあちこちが遮断され、市民の足が混乱するということ。
来る23日には、ヤドバシェム(ホロコースト記念館)で、アウシュビッツ解放75周年の記念式典が予定されている。今回は75周年とあって、イスラエル史上最大、世界のそうそうたる首脳46人が出席する。
首脳たちは、プーチン大統領、ペンス米副大統領、マクロン仏大統領、イギリスのチャールズ皇太子、ドイツのステインメイール大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領、ベルギーのフィリップ国王、オランダのウイレム・アレキサンダー国王、ノルウェーのハアコン皇太子、スペインの国王フィリップ4世,
ルクセンブルクのヘンリー大公
この他大統領の出席は、アルバニア、アルメニア、オーストリア、ベラルーシ、ボスニア、ブルガリア、クロアチア、フィンランド、ジョージア、キプロス、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、モルドバ、モンテネグロ、北部マセドニア、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロバニア
首相は、チェコ、モナコ、スェーデン その他代表は、カナダ、欧州共同体、バチカン。また、トランプ大統領の弾劾を主張する民主党のナンシー・ペロシ下院議長が出席する。ホロコーストといえばポーランドだが、式典でスピーチできないことを理由に欠席すると申し入れてきた。
相当なセキュリティであることはお察しいただけると思う。22-23日、エルサレム市内の交通はかなり不便になる。これもまたエルサレムの日常である。この日の様子は現地からお伝えする予定。テロなどからしっかり守られるよう、祈られたし。