<エデルステイン国会議長辞任>
エデルステイン国会議長は、リクードと青白党との対立にからんで、新しい議長選出選挙を国会で実施することを迫られたため、それを遅らせるために国会の延期すると発表した。すると、国会を開かないということは、民主主義を終わらせる行為だとして、国民が激しく反発した。
最高裁も、これに厳しく対応し、エデルステイン国会議長に、25日までに国会での議長選挙を行うよう指示を出した。エデルステイン議長は、司法が国会に介入するのはおかしいとしてこれを拒否した。しかし、最高裁の指示に従わないということは、やはり民主主義に反するして、市民によるデモが発生した。
政治と司法もからむ混乱となったため、リブリン大統領が声明を発表。「民主主義国家である以上、司法には従わなければならない。」と述べた。これを受けて、25日、エデルステイン国会議長は、自ら辞任すると発表した。
最高裁は、25日までに、国会で新しい議長を決める選挙をするようにと指示していたのだが、エデルステイン国会議長は、選挙の代わりに辞任を表明したということである。このため、国会では、26日にも議長選出の選挙を実施することとなった。その際、国政で最もベテランのアミール・ペレス氏(労働党)を臨時議長とすることが決まった。
なお、法律では、国会議長は辞任表明から、実際の辞任まで48時間が設けられている。したがって、この間、議長選挙以外の国会議長としての責任は、まだエデルステイン氏が担うこととなる。
www.jpost.com/Israel-News/Edelstein-expected-to-announce-he-is-quitting-622257
この一連の中で、ネタニヤフ首相が、エデルステイン氏を擁護することはなかった。エデルステイン氏は、これまでずっと、ネタニヤフ首相を擁護してきたのに、なんとも冷たいとも感じさせられるが、ネタニヤフ首相は、なんとしても政治に生き残り、国を導くという一点に執念のごとくに、集中しているのであろう。
<ネタニヤフ首相・ガンツ氏連立交渉仕切り直し再開>
リブリン大統領は、ネタニヤフ首相とガンツ氏に対し、今、イスラエルは、疫病が愛する者を奪い、経済も破壊されそうなほどに危機的な状況にあると訴え、イスラエルの民のために、互いの譲りがたい点に配慮しながら、早急に政府をたちあげなければならないと述べた。
エデルステイン国会議長が辞任するやいなや、ネタニヤフ首相は、ガンツ氏に緊急統一政権の交渉再開を打診。両者は、はじめから仕切り直して、交渉を再開することで合意したもようである。
www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/277825
しかし、青白党は、緊急統一政権について、「我々が合意できる形は、最初の6ヶ月間、ネタニヤフ首相が首相としてとどまり、青白党が、外からそれを指示するという政権の形だ(ともに手を組むという形ではないということ)。そうして、6ヶ月後に正式な政府をたちあげるか、また選挙するかのどちらかだ。それ以外の解決はありえない。」と述べた。
www.jpost.com/Israel-News/Likud-Blue-and-White-deny-progress-on-unity-622365
要するに、あと6ヶ月は、ネタニヤフ首相が、新型コロナ対策を導くということである。ただし、国会とその準備委員会、委員会もすべて青白党が制覇しているので、ネタニヤフ首相の政治運営は、以前にもまして難しくなると思われる。