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警告は1年以上前から
イスラエルのテレビ・チャンネル12が報告したところによると、イスラエル軍のエリート8200情報のある下士官が、10月7日の数日前から、複数の軍上層部に対して、Eメールで、ハマスの襲撃が始まると警告を出し続けていたことがわかった。
その際、その下士官は、聖書のエゼキエル書33:6を引用していたという。
「しかし、見張り人が、剣の来るのを見ながら角笛を吹き鳴らさず、そのため民が警告を受けない時、剣が来て、彼らの中のひとりを打ち取れば、その者は自分の咎のために打ち取られ、わたしはその血の責任を見張り人に問う。」(エゼキエル33:6)
www.timesofisrael.com/the-sword-is-coming-idf-email-warned-of-hamas-plans-days-before-oct-7-report/
しかし、8200部隊がハマス襲撃を警告したのは、これが初めてではなかった。襲撃のひと月以上前の9月19日の時点で、ハマスがイスラエルへの大規模な侵略のための計画と訓練を行なっているとして、すぐに対処すべきとの報告書を出していた。
驚いたことに、この文書には、ハマスが200―250人の人質を取る計画だと書かれていた。ハマスにとられた人質は250人だったので、この報告書がいかに、正確であったかがわかる。
さらに、ハマス襲撃の1年以上も前にも、8200部隊は、40ページにわたる、大規模なハマス襲撃の可能性に関する報告書を提出していた。
この時点で、ハマスの計画は、「エリコの壁」と呼ばれていた。
10月7日の数日前から警告を発した下士官は、「ハマスの訓練の様子からすると、「エリコの壁」はもういつでも開始する用意ができている。
これを完全に防止する時間は十分にない。しかし、被害を最小にするためにも対処する準備をするべきだ。」と警告していた。
ところが軍上層部はこの警告を却下した。そうして、10月7日の大惨事を招いてしまったのである。
イスラエル軍は、ガザとの国境に、10億ドルかかったとも言われているハイテクの防護壁を建設していた。
またその当時、イスラム聖戦の動きが活発になっていた。ハマスが弱体化しているとの誤った情報操作が行われていたとも考えられている。軍上層部がまんまと乗せられていた可能性も指摘されている。
www.timesofisrael.com/hamas-conned-israel-into-complacency-by-passing-intel-on-islamic-jihad-report/
結局、超高価なハイテクの壁は、手作りの安いっぽいドローンで目隠しされ、29カ所も破壊されて、3000人ものテロリストの侵入を許してしまった。市民1200人が残虐に殺され、250人が拉致されていったのである。
責任を認める軍上層部
警告を受けていたにもかかわらず、それを無視し続けた軍上層部は、責任を問われており、現在厳密な調査が行われている。これまでに軍情報局長だったアハロン・ハリバ少将が、責任を認めてこの4月に辞任を表明した。
ハリバ少将は、ハレヴィ参謀総長に書簡を出して、「私の指揮下にあった情報局が、ハマスの攻撃を警告できなかった。
最も重要な任務を果たせなかった。軍情情報局長であった自分が全責任を負っている。この戦争の大きな痛みを一生背負っていくだろう」と述べていた。
このほかにも、治安関係の上官たちが次々に責任を認めると表明している。
しかし、今は戦争中でもあり、後任を探すことも困難であるため、ハリバ少将含め、責任を認めた高官たちも役職を継続している。戦争が落ち着けば、辞任する人が続出するとみられている。
石のひとりごと
こうしてみると、主は、明らかに、イスラエルに警告を、1年以上も前から発していたといえる。
それを無視して、ハイテクや軍備を過信していたという、聖書時代からのイスラエルの失敗を思わされる。となると、そういう意味において、今の戦争は、イスラエルにも責任があるということである。
しかし、こうした時、責任者は、責任逃れをすることが多いが、ハリバ少将は逃げも隠れもせず、責任を認め、一生この痛みを負うだろうと言っている。他の軍の高官たちも同じように責任を認めているという。
悔い改めてももう遅いのではあるが、この悔い改めを見て、これからのイスラエル軍を助けてくださるように祈る。
主は、最後には、こうした失敗も主の栄光に変えていかれる。悲しむものはなぐさめられると言われている通りである。期待して、これからの動きを見ていきたい。