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エジプトがイスラエルから天然ガス輸入で合意
イスラエルとエジプトは、ガザ地区を間に国境を接している隣国である。ガザでは、一応の停戦にはなっているが、なかなか次の段階へと進めないでいる状況である。本日、ウィトコフ特使が、アメリカ国内で、仲介国と会談することになっている。

こうした中で驚くべきニュースが入った。12月17日(水)、ネタニヤフ首相が、コーヘンエネルギー相とともに、エジプトが、イスラエルから天然ガスを購入することに合意したと発表したのである。
その額は、イスラエル史上最大の約350億ドル(5兆2000億円)である。
Times of Israelによると、契約から最初の4年間は、年間1億5500万ドルが、国庫に入り、その額は増えて2033年までには、年間19億ドルにまで増加する見込みだという。
最終的には、イスラエル国庫に年間180億ドル(2兆8000億円)の増収が見込まれるとのこと。
ネタニヤフ首相は、この収益で、教育や医療、インフラ整備、安全保障など、字世代の強化に役立つだろうと語った。また、この発表が、神殿で、たった1日分のオイルで、メノラーが8日間燃え続けたことを覚えるハヌカの最中だったため、ネタニヤフ首相は、「我々はもう一つの油つぼを得た」と語った。
コーヘン・エネルギー相は、この取引はイスラエルにとって歴史的な瞬間、戦略的資産だと語った。
なお、イスラエルの天然ガスは、イスラエルの会社とレビヤタン油田を共有する、アメリカのシェブロン社が関係する形で、エジプトに販売することになるという。
アメリカもこの合意には、深く関わりがあるとのこと。アメリカにとっても有益な話なのだろう。
www.timesofisrael.com/historic-moment-netanyahu-announces-record-natural-gas-deal-with-egypt/
*イスラエルの天然ガス(米貿易局情報)
www.trade.gov/energy-resource-guide-israel-oil-and-gas

イスラエルは、2015年まで、石炭火力発電に頼る国であった。これは輸入に頼ることを意味している。
ところが、2010年ごろから、イスラエル沖で天然ガスが見つかった。レビヤタン油田と呼ばれている。
これにより、徐々に石炭火力発電から、天然ガスに乗り換えが進み、2019年には、イスラエルで使う電力の83%は、天然ガスによるものとなっている。
石炭火力依存率は、かつての60%から30%にまで低下している。
2030年までには、天然ガス発電を主力とし、石炭火力発電所は閉鎖することが目標である。また2030年から、ガソリン車の輸入を停止し、電気自動車や、天然ガストラックへと段階的に変えていく。
このように、天然ガスが見つかったとき、まずは国内の需要に確保することが優先されたが、今、外部に販売という段階に入ったようである。
エジプト:純粋に商談であって政治的な意味はない

エジプト当局は、ネタニヤフ首相が、公式に発表したこの交渉について、翌18日(木)を否定せず、認めると表明した形となった。しかし、これはアラブ諸国からすれば、裏切りに見えなくもない動きである。
エジプト当局は、これは、純粋に商談であって、政治的な意味はないと、言い訳をするような声明を出した。また。
また、エジプトの国家情報局のディア・シュワラン局長は、「この協定は、東地集会におけるガス取引の唯一の拠点としてのエジプトの地位を強化するものであり、エジプトにとっての戦略的利益なるものだ」と語った。
パレスチナ問題に関するエジプトの立場(パレスチナ国家設立)は変わらないとも述べた。
石のひとりごと
結局のところ、政治より金というか。。お互い生き延びていかなければならないのである。
それにしても、近年になって、今この時代に、イスラエルに天然ガスが見つかったということもまた主のとりはからいかもしれない。
見つかった当初から、まずは、自国の供給をと言っていたことを思い出すが、さすがは、サバイバルの厳しさを知っているイスラエルである。
それにしても、イスラエルはやはり侮れない国だと思う。背後に創造主がおられることを思う。
