緊張していたウクライナ情勢だが、2日、ウクライナ軍は親ロシア派の拠点となっているドネツク州スラビアンスクに突入し、省庁を占拠している親ロシア派を強制的に排除する”対テロ作戦”を開始した。
このときの衝突で親ロシア派2人が死亡。ウクライナ軍も、ヘリ2機が撃墜されて兵士が少なくとも2名死亡した。現在、スラビアンスクの町は14の検問所が立てられている状態だという。
<南西部軍港都市・オデッサでの暴動>
ウクライナ南西部のオデッサでは、2日夕刻、サッカーの試合でもりあがった勢いで親ロシア派と親ウクライナ派の乱闘がはじまった。そのうち市内の広場に面する貿易関係の建物に火炎瓶が投げ込まれるなどして火災が発生。建物の中にいた少なくとも36人が死亡、200人以上が負傷した。
翌朝3日(土)ウクライナ(キエフ)は、130人(新聞によっては160人)を逮捕している。
*オデッサは人口100万人のウクライナ第三の都市。人口の62%がウクライナ人、29%がロシア人(BBC)
ウクライナとの国境付近に4万の軍を駐留させているロシアは、ウクライナへの侵攻はしないと言っているが、「ロシア系市民を保護する必要が出てきた場合はそうとも限らない。」とも言っており、今後ロシアがどう動くのか懸念されている。
なお、約1週間前に、親ロシア派に拉致されていたOSCE(ヨーロッパ安全保障協力機構)のメンバー7人だが、今日3日(土)解放された。背後ではロシアも含めた何らかの交渉が行われているという報告もある。
<東西のにらみあい:宇宙開発に影響か> http://www.afpbb.com/articles/-/3013827
ウクライナを巡ってロシアと欧米がにらみあう形になっているが、その影響が国際宇宙開発機構にまで及んでいる。
アメリカと欧米は、現在ロシアに対する経済制裁を発動しているが、その対抗処置として、ロシアは、4月30日の時点で、国際宇宙ステーション(ISS)のアメリカ人宇宙飛行士に影響がでるかもしれないと、飛行士を人質にとる可能性をちらつかせていた。
NASAは、先月初頭、ロシアがクリミア半島を併合した事を受けて、国際宇宙ステーション以外でのロシアとの協力活動をを停止する措置をとっている。
<ウクライナでネオナチ500人のマーチ> http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/180176#.U2T57aW9DCs
国家分裂かとも言われる事態にあるウクライナだが、その中で2日、西ウクライナの町ルバブで、ネオナチ500人が、ウクライナの民族衣装をまとってのマーチを行った。
500人は、1943年にウクライナで立ち上げられた「第14ガラテア地方SS(ゲシュタポ)ボランティア部隊」の名を叫び、ナチに協力した2人の将校の名を挙げてウクライナのヒーローだと叫んだ。また「ウクライナは偉大だ。敵に死を」といった過激なスローガンを掲げたため、住民の苦情で警察が途中でマーチを止めさせたほどである。
ウクライナのユダヤ人は、まだそれほど反ユダヤ主義を日常では感じていないというが、ユダヤ人市長が撃たれたり、シナゴーグに火炎瓶が投げ入れられるなどの反ユダヤ行為は増えてきていると報告されている。