ロシアがクリミア半島をとうとう併合してしまった。これに先立ち、欧米は、ロシアの行為は侵略だとして、ロシア政府関係者の資産凍結などの制裁を始めている。
日本政府は経済制裁には参加しないものの、ビザ発給などの分野でロシアへの制裁に参加すると発表している。日本は親米だが、北方領土問題でロシアに近づく方針をとってきたため、非常に微妙な立場である。
このような流れの中、ロシアは21日、正式にクリミア半島併合にサインした。
また今週、ウイーンで2日間行われたイランと国際社会との核問題会議に出席したロシア代表が、「もし欧米が対露制裁を続けるのであれば、イランとの交渉において、欧米に協力しないかもしれない・・」とイラン側につく可能性を示唆する発言をした。
なお、イランと国際社会の交渉は、今回も大きな成果はなく、次回は4月7日に開催予定となっている。
<米英がイランの武器密輸船捜査を国連に要請>
3月初頭にイスラエルが拿捕したイランからと見られる武器密輸船に関して、アメリカとイギリスが、国連で調査すべきとの要請を出した。もし、イスラエルのクレームが正しかった場合、イランは国連安保理に反する可能性がある。
輸送船が積んでいたのは、40基にのぼる長距離ミサイルなど、明らかに武器。武器はイランが大量の武器を保管しているとみられるシリアからイランへ空輸され、そこから船でスーダンを経由してガザを目指していたとイスラエルは主張している。
<不明のイラン系ユダヤ人8人、殺害と断定>
1990年代にイランから逃れ、イスラエルへ向かう途中で行方不明になったイラン系ユダヤ人11人について、20年以上の調査の結果、8人については途中で殺害されたと断定されるに至った。
3人については、まだ調査は継続される。スファラディ系のチーフラビ・アマールが家族への通達を行った。
<JFNA(北米ユダヤ協会)ICEJ(エルサレム国際クリスチャンエンバシー)もウクライナのユダヤ人移住支援へ>
ロシアのクリミア併合で、ウクライナの社会全般に、不安感が広がっている。今後もし、クリミア以外の東部の町でもロシア編入を希望した場合、なし崩し的にウクライナが分裂という最悪のシナリオも否定できないからである。
ウクライナには現在,6万人強のユダヤ人がいる。うちクリミア半島には1万人。ユダヤ機関によると、2014年になってから、イスラエルへの移住を希望するユダヤ人の数は2倍になっているという。
JFNA(北米ユダヤ連盟・経済的に最も有力)は、ウクライナにいるユダヤ人の保護へ動き出すと表明した。
また、旧ソ連、特にウクライナのユダヤ人42000人のイスラエル移住を促進した実績を持つICEJ(エルサレム国際クリスチャンエンバシー)は、ユダヤ機関の要請を受けて、再びユダヤ人のイスラエルへの移住支援に乗り出した。
具体的には移住用飛行機のチャーターや、移住手続き支援などである。
<ウクライナ関係者の声>
イスラエルには、ウクライナに家族を持つ人も多い。エルサレム在住のオレグさん夫妻は子供たち(20代)がまだ移住許可がおりずにウクライナにいる。
オレグさんによると、ウクライナでは、まだ表面的にはユダヤ人に問題はないとのこと。しかし、国が分裂しないように祈ってほしいと言っている。
オデッサ在住の宣教師は、教会の中も親EUの者、親ロシアの者と様々なので、意見の違いで分裂しかねない状況だという。
また、クリミア半島に福音派の教会あるかどうかはわからないが、ロシア支配下に入ると、宗教の規制で宣教が制限されるのは避けられない。
ウクライナの教会の信仰が強められ、こういうときこそ一致して宣教できるよう、祈ってほしいとのことだった。。