核兵器開発疑惑の続くイラン。それを裏付けるように21日、「イランが、ウラン濃縮を加速する最新式の遠心分離器180基を稼働しはじめたことを確認した」とIAEA(国連原子力機構)が発表した。
この遠心分離器はIR2mとよばれ、これまでの3倍の速度でウランを濃縮することが可能となる。これは、予想した以上に、イランが核兵器を完成させる時期が早まる可能性を示唆するものである。
ただし、今回、IR2mの導入が確認されたナタンツはウランを5%まで濃縮する施設。もしこれが、20%に濃縮しているファルドーの核施設に導入されはじめた場合、事態はさらに深刻となる。
この報告を受けてイスラエルのネタニヤフ首相は、「(軍事介入への)”赤線”に近づいている。この問題は、来月のオバマ大統領のイスラエル訪問での最優先議題になる。」とのコメントを出した。
なお、欧米とイランとは来週26日にウラン濃縮問題について8ヶ月ぶりの直接対話を予定しており、その直前のこの動きは、世界に対し不遜とも言える挑戦行為である。
<イランは核兵器までどの段階か>
核兵器に必要なウランは濃縮90%と高い。その前段階としてまずは濃縮20%のウランを一定量、準備する必要がある。
20%のウランが核兵器一発分に達した場合、そこから90%にする時間は数ヶ月で、IAEAの査察の合間に核兵器を完成することが可能。そのため、ネタニヤフ首相は昨年9月の国連総会で、20%ウランが、核兵器一発分になった時点を軍事介入への赤線にするべきとの警鐘をならしていた。
アルーツ7によると、現在イランは170キロの20%ウランを保有している。これが280キロになれば核兵器一発分となる。
<現在のハマンはイラン!?>
イスラエルでは、明日日没からプリム(エステルの例祭)が始まる。(エルサレムでは24日日没から)この日、シナゴグでは、エステル記が朗読され、イスラエルを滅ぼそうとした敵ハマンが、どんでん返しで討ち滅ぼされ、イスラエルに勝利がもたらされたことを覚える。
多くのイスラエル人たちがこの時期、「イスラエルを地図から消し去る」といったイランのアフマディネジャド大統領から、ハマンを連想している。
<ナイジェリアにもイラン分子>
ナイジェリア政府は、国内でイスラエル人とアメリカ人をターゲットにしたテロを計画していたテロリスト3人を逮捕。イランに関係するグループであることがわかった。ナイジェリアにはイスラエル系の会社が150ある。