イラン通貨価値暴落後テヘランで最大級大規模市民デモ3日目拡大中:イラン情勢緊迫の中 2025.12.31

Protesters march in downtown Tehran, Iran, December 29, 2025. (Fars News Agency via AP)

イランでは、強行イスラム政権のイスラエル攻撃姿勢への緊張から、イスラエルとアメリカによる再攻撃の気配があり緊張が高まっている。

そうした中、旱魃に加えて、イランの通貨価値がまた暴落したことから、12月29日(月)、市民の反発と大規模なデモがテヘランで発生。3日目になる今日も続いており、他地域にも広がっている。

イスラエルとアメリカがイラン武装強化に攻撃を警告・イランは強気姿勢

イスラエルとアメリカは、2025年6月に、イランの核施設への攻撃を実施。イランの核兵器開発に膨大な影響を与えたと見られている。しかし、濃縮ウランは、まだイランにある上、イランが、長距離弾道ミサイルなど通常兵器の開発を進めているとイスラエルは警戒を強めている。

Amos Ben-Gershom (GPO)

12月29日から、ネタニヤフ首相は、フロリダでトランプ大統領の会談を行なっている。その際、イランへの強い警戒感を共有し、トランプ大統領は、「もしこの動きが確認された場合、イランはどんな結果になるかわかっているはずだ。

おそらく前回より大きなものになる。」と新たな攻撃を示唆する発言をした。

www.timesofisrael.com/after-trumps-warning-of-strike-iran-threatens-harsh-response-to-any-attack/

すると、イランのペゼシュキアン大統領は、「いかなる攻撃にもイランは厳しい対応をする」と述べた。

イラン通貨暴落:ハイパーインフレ懸念

こうした中、BBCがノルウェー系人権保護団体からの情報として伝えたところによると、イランでは、2025年12月初頭までで、少なくとも1500人を処刑したとのこと。昨年は975人だったので、今年は2倍近くになっている。

www.bbc.com/news/articles/c3v1g227p4xo

6月のイスラエルとアメリカの攻撃に関係しているとは想像に難くないが、それ以外でも、世界からの制裁に加え、厳しい旱魃による経済の悪化で、政府に反発する市民が増えていることもその原因と考えられる。

公式の統計によると、イランの物価指数は、昨年比52%であった。(日本でも物価が上がっているが、総務省によると、消費者物価指数は、前年比で約3%増である。52%が膨大ということ)

さらにこれに追い討ちをかけるように、12月28日(日)、イランの通貨リアルが、1ドル138万リアルから143万リアルに暴落した。輸入品がそれだけ高くなることを意味する。食品や日用品、ガソリンも値上げすることになる。

今後、ハイパーインフレになる可能性が指摘されている。

*ハイパーインフレ:急激な物価上昇でその国の通貨価値が急速に低下することを受けて、自国の通貨を売ってドルなどを買いに走り、さらに通貨価値が失われていく状態のこと。

市民が反政府大規模デモ:テヘランから各地へ

イランのリアルが暴落した翌日以降、テヘランでは、2022年のマフサ・アミニさん事件以来最大となる反政府デモが発生した。

アミニさんは、イスラム教スカーフを正しく装着していなかったことで逮捕され、獄中で死亡。市民たちがこれに反発して、大規模な反政府デモになった。しかし、政府はこれを取り押さえたのであった。

今回のデモは、この時以来となる大規模な反政府デモになっている。店やグランドバザールも閉じられ、店長たちもデモに参加している。

デモ隊からは、「独裁者に死を」というスローガンや、女性までが、「恐れない。私たちは一致している」と叫ぶなどの様相が報じられている。各地大学生も参加しているとのこと。

治安部隊とのさまざまな暴力的衝突な様子が3日後の今もまだ続いている。また、デモはテヘランで始まったが、現在、ハマダンなど他の都市へも拡大している。

これに対し、政府側も制圧にかかっており、催涙弾を使用している他、デモ隊関係者の逮捕を進めている。逮捕者の中には、エテマド紙記者政治部担当のメフディ・ビエク氏も含まれているとのこと。

www.timesofisrael.com/massive-protests-rock-iran-after-currency-sinks-tehran-shopkeepers-shutter-stores/?utm_campaign=most_popular&utm_source=website&utm_medium=article_end&utm_content=2

www.ynetnews.com/article/hkhu2qzewl#autoplay

石のひとりごと

今の強硬イスラム政権がイラン市民によって打倒され、民主的な政府に代わることは、アメリカ、そしてイスラエルも望んでいることである。

今回、イラン政権は倒れるだろうか。それにしても、イスラエルに敵意を持つと、そのツケは結局、自分に戻ってくるという原則をみるような気がする。

しかし、イランは、かつてのペルシャである。バビロン捕囚にあったイスラエル人を解放したクロス王もペルシャの王だった。今立ち上がった人々に主の助けがあるように。イランが、本来の姿に戻るよう祈る。

今日は、大晦日。世界は今、火の粉が飛び始めている。ウクライナ問題に加え、中国が台湾周囲で軍事演習をする事態になっている。2026年、大きな戦争になる気配も否定できない状況である。

私たち、イエスを信じて救われた者は、天地創造の主、全てを知っておられる方につくものである。この方にとりなす者として、新しい年、ますます主と心を一つにして歴史を動かす祈りをしていきたいと思う。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。