20日、イスラエルは、2007年にシリアの原子炉が空爆で破壊されたことについて、イスラエルの攻撃によるものであったことを認め、攻撃映像を含む詳細を公表するに至った。
それによると、イスラエルの諜報機関は、2005年から、シリアが、北朝鮮の技術支援で、プルトニウム濃縮の原子炉を建設しているとの入手。
2年かけて確定したが、アメリカ(当時ブッシュ大統領)が攻撃を拒否したため、2007年11月5-6日の深夜、イスラエルの戦闘機8機が、シリア領内に入り、この施設を破壊した。
その後シリアが内戦に入ったことを思えば、もしこの時、この攻撃が実施されていなかったら、シリア内戦の混乱の中で、ISが、原子炉を持つようになっていた可能性も否定できない。いわば、中東、世界の運命を変えたとも言える。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5182507,00.html
イスラエルは、1981年にも、イラクの原子炉を電撃的に攻撃破壊し、その後起こりうる危機を阻止している。
<なぜ今?公表の意義>
今回の情報については、実際にはすでに海外メディアが報じていた内容で、それをイスラエルが確認し、認めただけということである。
なぜ、このタイミングで、空爆を認めると公表したかだが、イランへのメッセージであると考えられている。アメリカが、5月の期限を前に、イランの核合意からの離脱を検討していること、また、アメリカが、核実験を繰りかえす北朝鮮との対話を検討している中で、核問題の深刻性をアピールしたともみられる。
今回、イスラエルが破壊したと認めたシリアの核施設には、北朝鮮の科学者が関わっていたと伝えられている。
もし万が一、アメリカが5月、イランとの核合意から単独離脱し、これに反発したイランが、逆に核兵器開発へ動き出すことでもあれば、イスラエルは躊躇せずにこれを武力阻止する用意があると主張したとも考えられる。
こうした中で、ガザとの対立が発生しており、イランがガザのハマスを利用し、イスラエルとの発火点を作ろうとしているのかもしれない。
これに先立ち、クエート系メディアによると、イスラエルがアメリカから購入した最新式戦闘機F35、2機がイラン領空を飛行したとの情報もある。イスラエルとイランの関係は、いよいよ緊張してきたようである。
www.jpost.com/Middle-East/Report-Israeli-stealth-fighters-fly-over-Iran-547421
<アメリカがイラン人ハッカー9人を公表>
アメリカは、23日、イラン革命軍の要請により、世界230大学から、貴重な情報や資料を盗み出し、収益を得ていたとみられるイラン人9人の名前を公表した。
www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5191945,00.html
なお、イランのリラはここ半年間、最安値を記録しているという。