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アメリカがイエメンのフーシ派へ大規模攻撃開始
3月16日(土)、トランプ大統領が、イエメンのフーシ派へ、かなり本格的で大規模な戦闘機による攻撃を開始した。フーシ派によると、これまでの24時間の間に数十か所へ2回、攻撃が行われた。
首都サナアの建物も被害を受けており、瓦礫の中から人々を救出する様子もみられている。イエメン政府によると、3月16日時点で、子供5人、女性2人を含む53人が死亡。98人が負傷した。
これに対しフーシ派の指導者アブドゥル・マリク・アル・フーシは、アメリカがイエメンへの攻撃を続ける限り、紅海のアメリカ海軍への攻撃を続けると宣言した。
その後、フーシ派は、紅海に駐留するアメリカの空母USSハリー・トルゥーマンやその周辺の船に向けて、ミサイルやドローンを発射した。こちらもこれまでに2回、反撃している。すべて迎撃されており被害の報告はない。
しかし、フーシ派は、アメリカ軍による攻撃で、2023年11月に、フーシ派に拿捕されていた船舶ギャラクシー・リーダー」の司令室が被害を受けたと反論もしている。
この船は、イスラエル人が関係するイギリス企業が所有するバハマ船舶で、日本が運航を担っていた船である。
一時フーシ派に乗っ取られ、拿捕されたあと、2025年1月に乗組員が解放されていた。
トランプ大統領は、イランに対し、フーシ派への支援をやめるよう、警告した。しかし、イランは、逆にイエメンに対するアメリカの攻撃に対し、「断固とした壊滅的な対応を取る」と、これを拒否する声明を出した。
今後もアメリカ軍は、フーシ派が、会場で船舶への攻撃を止めるまで続けるとみられている。トランプ大統領が就任以来、初めてとなる大規模な軍事行動である。
www.bbc.com/news/articles/c05mvr3j3yro
*アメリカがイエメンを攻撃する理由
イエメンにいるテロ組織フーシ派は、イラン傀儡でまだ攻撃されていない唯一の組織である。
フーシ派は、ガザを攻撃するイスラエルを非難し、それを理由に、時々、イスラエルに向けてミサイルを発射している。
また、世界2万隻(日本関連2000隻)の貿易船が通過するアデン湾で、海賊的な行為を続けて、国際社会の海運業に多大な被害を及ぼしてきた。日本の自衛隊も出動している地域である。
www.mod.go.jp/msdf/operation/cooperate/pirates/
これまでに国際商業船約100隻がフーシ派のミサイルやドローンによる攻撃を受け、2隻は撃沈。4人の水兵が死亡している。このため、商業船は、アフリカ大陸を回る、相当な遠回りを強いられている。
イエメンという国は、世界でも最悪規模の貧困国である。それがこれほどの武器を持っているのは、イランが支援していることと、海賊業で得た収入をすべて、軍事に費やしているからである。
フーシ派の反撃はイスラエルが標的か
この間に、フーシ派は、反撃のミサイルを発射。エジプトのシナイ半島に着弾した。イスラエルは、これがイスラエルを狙ったものかどうかの調査を行っている。
いずれにしても、今後、イエメンからイスラエルに向けて、ミサイルが発射される可能性が大きいとして、イスラエル軍は、警戒体制に入っている。