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強気見せながらもイラン防衛革命隊将軍はシリアでの敗北認める発言
今回、イエメンのフーシ派をアメリカとイスラエルが同時に攻撃したのだが、アメリカとイスラエルは、先にイランの核兵器関連施設を攻撃するのではないかといった憶測が時々出ていたのであった。
イランは、先のイスラエルの反撃で、国内の防空システムを大きく失っており、イスラエルの戦闘機が領空に容易に入れるようになっている。
イスラエルでは、ガンツ前防衛相など防衛関係者からは、フーシ派より先にイランを叩くべきとの意見が出ていた。しかし、ネタニヤフ首相はフーシ派を先に叩く方針を固めたと伝えられていた。
このためか、イランは、1月7日(火)、ナタンツ核濃縮プラントの近くで、防空に関する訓練を開始したと発表していた。新たなミサイルを見せたとの報道もある。
edition.cnn.com/2025/01/10/world/iran-underground-storage-facility-missiles-intl/index.html
一方、先週、テヘランで、イラン軍のベフルーズ・エスバディ将軍が、シリアのアサド政権を失ったことは、イランにとって大きな敗北だったと認める発言をした。
Brig. Gen. Behrouz Esbati, a senior #Iran regime general in #Syria who has worked also in the Armed Forces General Staff, gave remarks in recent days where he said “I don’t consider losing Syria something to be proud of. We were defeated, and defeated very badly, we took a very… pic.twitter.com/wR74HA1IVE
— Jason Brodsky (@JasonMBrodsky) January 8, 2025
イランは、ハマス、ヒズボラに続いて、シリアのアサド政権も失ったことで、相当な打撃を受けているはずと言われていたが、これが証明された形である。
www.nytimes.com/2025/01/08/world/middleeast/iran-general-syria-defeat.html
イランは500億ドルをシリアで失った:国内に不満
INSS(イスラエル国家安全保障研究所)のベニー・サブディ氏によると、イランは、2000年から、シリアのアサド政権に、資金やエネルギー源などの支援金を注ぎ込んでおり、その額は500億ドル(8兆円近く)に上っていた。アサド政権により、これがすべて無に着したことになる。
こうした中、イラン国内では、イスラム政権で自由が制限されているだけでなく、国際社会からの制裁で、エネルギー不足に陥っており、毎日6〜7時間の停電になっている。
ガスも不足し、寒さに対応できないとして、テヘラン含む全国3分の1の学校を、本日1月11日(土)に閉鎖するよう、指示を出した。期間は不明だが、同様の措置は昨年12月にも行われ、子どもたちは自宅待機をまた強いられることになっている。
www.jpost.com/middle-east/iran-news/article-836970
数年、旱魃で、水不足にもなっている。物価高もはんぱなくなっており、イラン国内では、世論の80%が、現政権に不満を持っていると言われている。
国内から現政権が転覆する可能性もありうる状況が続いている中、トランプ次期米大統領がどう出てくるかもわからない。こうした中、イランが今後、やけくそに極端な攻撃に出る可能性もあり、注意が必要である。
www.timesofisrael.com/iran-again-closes-schools-offices-to-conserve-power-amid-shortages/