イランの攻撃はイスラエルだけでなく、これまでに湾岸諸国、ヨルダン、トルコ、アゼルバイジャンなど、13カ国に拡大している。
攻撃はアメリカ軍関連地点だけでなく、石油施設や、インフラにまで及んでいる。
昨日、イランのペゼシュキアン大統領が、近隣諸国に謝罪を表明していたが、それ以後にもイランからの攻撃は続いており、事実上、撤回したような形である。
AFPによると、2月28日にイランとの戦争が始まってから、湾岸署国では18人(民間人10人)が死亡している。以下はこの週末のイランによる攻撃の被害の様子。
1)サウジアラビアで4人死亡
サウジアラビアは、イランと水面下で交渉しているなどの情報も出ていたが、3月8日(日)、リヤド南部の住宅地にドローンか何か飛翔物が着弾。4人が死亡。12人が負傷した。死亡したのは、インド人とバングラディシュ人だと報告している。
この日、サウジアラビアは、イランのドローン33機を迎撃したとして、上記以外の死傷者はないと報告した。
Footage shows Saudi air defenses intercepting and destroying a number of drones launched toward the Kingdom in recent days.#SaudiMOD pic.twitter.com/G41HjOsm1H
— وزارة الدفاع (@modgovksa) March 8, 2026
サウジアラビアがイランに反撃する可能性も報じられている。
ところで、イランは、シーア派イスラム、サウジアラビアは、スンニ派イスラムで、宗教的にも対立しており、イエメンでは、長年代理戦争をしていた経過もあり、以前から敵対している国である。
2)クウェートで空港の燃料タンクにドローン着弾:警備員2人死亡
クウェートでは、ドローンが空港の燃料タンクに着弾して火災が派生した。このほかにも詳細は不明だが、国境警備隊員2人が、任務遂行中に死亡と報告している。
3)バーレーンで民間の淡水化施設へドローン攻撃
バーレーンでは、イランのドローンで、重要な民間インフラである淡水化施設が被害を受けた。
4)UAE(アラブ首長国連邦)に弾道ミサイル17発
UAEはイランの目と鼻の先である。UAEでは7日(土)、世界最大のハブ空港と目される主要空港にドローンらしきものによる攻撃を受け、空港を一時閉鎖していた。
この翌日の8日(日)には、イランから弾道ミサイル17発が発射され、16発を迎撃。1発は海に落ちたと報告している。
これに対し、UAEがイランに反撃するのではないかとのニュースが出たが、UAEはこれを否定。国内にあるイランの資産凍結を検討しているとウォール・ストリートジャーナルが伝えているとのこと。
なぜイランは湾岸諸国を攻撃するのか
イランは、なぜ、これまで協力的だったカタールも含めて、湾岸署国への攻撃をしているのだろうか。国内にあるアメリカ軍施設だけでなく、インフラや石油施設にまで攻撃を拡大している。ホルムズ海峡の封鎖と併せて、世界のエネルギー供給に大きな影を落としている。
イランが湾岸諸国を攻撃する目的としては、いろいろな解説もあるが、世界に迷惑をかけることによって、世界の非難がイスラエルとアメリカに向かうようにすることも一つかもしれない。
指揮系統が統一できてないのではないかとの解説もあるが、IRGCはそこまで弱い組織ではないだろう。
All Israel News(ジョエル・ローゼンバーグ編集長)からは、強硬イラン政権が、終末にメシアが来る前に来るとされる、世界での全面戦争を誘発することもどこかで意識しているのではないかと提示している。
イスラム教でも、世界が大混乱になる中で、世界を救う救世主が来ると信じている。無論その救世主はイスラムの信者である。そのためなら、何を犠牲にしてもよい、死の文化がイスラムなので、まさに何をするかわからないというところなのである。
まだちょっと突飛な感じもするが、もし今から、サウジアラビアやUAEがイランに反撃し始めたら、本当に中東での全面戦争から世界戦争にまで発展してしまう可能性はゼロではない。
なんとかこんなシナリオに発展しないよう、祈りが必要である。
