イスラエルの核施設地域ディモナとアラッド攻撃で200人負傷・11人重傷 :イランのナタンツ核施設攻撃後2026.3.23

A destroyed building that once housed an after-school program for underprivileged youth in the city of Dimona, following a ballistic missile strike, March 22, 2026. (Stav Levaton/Times of Israel)

アメリカとイスラエルは、イラン、またイスラエルは、レバノンのヒズボラへの攻撃をエスカレートさせている。イランからの攻撃も各地で続いている。

なんとか守られて、重篤な死傷者は出ていない。幼稚園も攻撃されたが、安息日であったため、人的被害はなかった。この幼稚園は、今週から登園再開の予定だった。

アメリカがイラン核施設ナタンツ攻撃

Natanz Nuclear Facility  on March 7, 2026. (Photo by Satellite image ©2026 Vantor / AFP)

こうした中、アメリカは、3月21日(土)朝、バンカーバスター(地中貫通爆弾用戦闘機)を使って、イランの濃縮施設があるナタンツへの攻撃に踏み切った。

アメリカは、昨年6月のイランとの12日間の戦争中にも、ナタンツにバンカーバスターで、10発以上の大型貫通爆弾を投下していた。イランはこの後、60%にまで濃縮したウラン450キロを、イスファハンとナタンツ近郊に移動させたとみられていた。

この時、アメリカとイスラエルは、濃縮ウランは、まだイラン国内にあるが、それを爆弾にするための施設を破壊したので、少なくともしばらくは核兵器の危険性は遠のいたと判断していた。しかし、まだ危険性は続いていたということである。

今回のナタンツへの攻撃の後、IAEA(国際原子力機関)が、衛星写真から判断したところによると、今回の攻撃では、燃料濃縮プラントへの施設への入り口に損傷が発生していたと発表した。

IAEAは、現場周辺での調査結果として、敷地外の放射線レベルの上昇は報告されていないとも発表した。

イスラエルの核施設があるディモナとアラッドにミサイル着弾

上記攻撃があった日の夜、イランは、反撃のごとく、イスラエルの核施設があるディモナとアラッドにむけて弾道ミサイルの波を発射した。

ディモナから10キロ、アラッドから30キロの地点には、イスラエルの核兵器開発所とみられているシモン・ペレス・ネゲ

311_dimona reactor
(photo credit: Ariel Jerozolimski)

ブ核研究センターがある。ここに核兵器があるかどうか、イスラエルは認めるとも認めないとも表明していないが、世界はここにあると見ている。

こうした地域に降り注いだミサイルの波は、大半は迎撃したが、少なくとも2発が迎撃をすり抜けて、住宅地に着弾。大きな被害をもたらした。被害は、この3週間で最大ともいえる激しさだった。

この攻撃で200人近くが、破片などで負傷。このうち11人が重傷となった。その中には、12歳少年、5歳少女が含まれている。両都市に近く負傷者175人を受け入れたベエルシェバのソロカ医療センターには、今も36人が入院している。

しかし、これほどの被害で、死者が出なかったことは、奇跡だと言われている。

ネタニヤフ首相アラッド現場視察:世界諸国にトランプ大統領と協力して戦うよう呼びかけ

核施設が、攻撃の応酬の対象になることは、地域だけでなく、世界にとっても明らかに赤信号である。

ネタニヤフ首相は、翌日22日(日)被害を受けたディモナを視察した。そこで、イランへの攻撃を継続するとともに、世界に次のような警告を発した。

「イランが、文明社会の敵、世界の敵だということの理由を知りたい人は、この48時間の間にイランがしたことをみればわかる。

この48時間の間に、イランは、まず、多くの場合、国際法で禁じられているクラスター爆弾を、幼稚園、高齢者ホーム、家族が住む家などに向かって発射し、市民を標的にした。私たちは、市民は標的にしていない。

次に、イランからのミサイルは、エルサレムのアルアクサモスク、聖墳墓教会、嘆きの壁にも危うく届くところだった。イランは、世界の宗教の聖地を標的にした。

3点目に、イランは、4000キロ離れたインド洋の、米英基地があるディエゴ・ガルシアにまでミサイルを飛ばしてきた。これはイランが、ヨーロッパに届くミサイルを持っているということだ。」

また、「世界は何を待っているというのか。アメリカとイスラエルは、パートナーを組んで、私たちのためだけでなく、世界の皆さんのためにも戦っている。今は、トランプ大統領に協力すべき時だ」と語った。

石のひとりごと

イスラエルへの攻撃は、激化している。サイレンは1-2時間ごとである。重症者は出ているが、これほどの破壊の中で、死者が出ていないことに、主のイスラエルへの変わらないあわれみとも感じる。

しかし、イスラエルへの攻撃が激化していることで、イスラエルにかろうじてフライトを維持しているエルアルが、見直しの検討に入っている。警報が頻回にあるベン・グリオン空港以外の空港に着陸振替も検討されている。

www.timesofisrael.com/liveblog_entry/el-al-reviewing-continued-operations-at-ben-gurion-airport-as-israel-slashes-traffic-amid-missile-fire/

友人Rさんが、日本からイスラエルへ帰れないまま、何日も空港で足止めになっている。こういうイスラエル人はきっと他にもいるだろう。フライトの継続と安全のために、いちにちも早く家族のもとへ帰れるよう、お祈りください。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。