イランと国際社会が直接交渉:15-16日 2013.10.14

15-16日、ジュネーブにてイランと6カ国(アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシア、ドイツ)がイランの核問題について話し合う。先月、オバマ大統領とイランのロハニ大統領が30年以上ぶりに電話で対談して以来の進展である。

今回はイランからの提案によるる直接交渉再開である。イランは、「核開発をすべて停止することはできないが、国際社会の要請に応じて、開発活動を減少させる用意がある。」と言っている。

これは、イランの実権を握ると言われるハメネイ師の考えでもあるとイランは伝えている。

もしこの交渉が成立すれば、イランとイスラエル、さらにはアメリカをも巻き込む戦争への懸念がなくなるため、国際社会の期待感が高まっている。

<交渉の焦点>

核兵器製造への準備度は、20%に濃縮されたウランがどのぐらいあるかで予測することができる。20%ウランが核兵器に必要な量に達すると、そこから核兵器を製造するのにはさほど時間はかからない。

したがってイランが保有する20%ウランが、一定量以下でとどまるならば、核兵器への心配がなくなる。

IAEA(国際原子力機関)によると、イランは20%ウランをすでに200Kg保有している。これは核兵器に近いが、まだ若干足りない量だという。

6カ国は、イランが核兵器を製造しないことを確かにするため、この20%ウランの一部をイランの外へ出して監視することをイランに要求している。

しかしYネットによると、ウランは20%以下の低濃縮であっても核兵器と無関係ではなく、むしろ20%ウランより、複雑に核兵器に関係すると警告している。

ネタニヤフ首相はかねてより、イランの核開発はすべて停止させるべきだと訴えている。

<イスラエルでも論議>

イランの態度の変化を信頼するのか、しないのか。国際社会の流れに逆らってもいいのか・・? イランの態度の変化は、イスラエルでも論議になっている。

イラン在住のユダヤ人たちは、ネタニヤフ首相に対し、「イランは柔軟になっている。このチャンスを逃さないでほしい。」と訴えている。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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