目次
12日日没から始まる過越
イスラエルでは、4月11日(金)から安息日、続いて12日(土)から1週間、19日(土)まで、過越の祭りに入る。これは、聖書の出エジプト記に書いてあるように、エジプトで奴隷であったイスラエル人たちが、モーセに率いられて解放されたことを覚える例祭である。
この時、急いでエジプトを出るために、種無しパン(ふくらし粉なしで焼いたパン)を食べたことを記念して、この1週間の間、イスラエル(ユダヤ人地域)では、パンが販売されず、マッツアと呼ばれる種無しパンを食べる。
市内では、過越の初日と最終日は、安息日扱いとなるため、店舗だけでなく公共交通も止まる。一方、日本でいえば、正月の大型連休のような感じで、政府や公的機関、大企業は大型連休になる。
このため海外に出るイスラエル人も多い。しかし、世界では反イスラエル暴力が高まっているので、警告が出されている。
深い傷と痛みの中で:ネタニヤフ首相のメッセージ
今年の過越は、ハマスとの戦闘が始まってから2回目の過越となる。まだ解放されていない人質の家族たちは、この家族が最も一つになる時に、今年も空席をみなければならない。逆に耐え難い時になっているだろう。
イスラエル人の友人たちの多くは、「ハッピーペサハ!」とフルでは言えない思いを抱えている。
イスラエルは今、エジプト方面のハマスとの戦いを続けながら、交渉を行なっており、進展があるかというところにいる。
また、特に今日は、アメリカとイランとの交渉がオマーンで行われる予定である。アメリカがどういう方向に持っていくのか、予想は難しく、イスラエル国内では懸念も広がっている。
この他、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派、イラクにも敵がいる。シリアにはトルコが迫っていて、こちらも交渉が始まっている。戦争の中でどうしても間違いも発生し、世界からは責められる一方である。
ネタニヤフ首相は、過越にあたり、イスラエル国民と世界のユダヤ人に向けて、メッセージを発した。
ネタニヤフ首相は、「人質はじめ、戦場に行っている兵士もいる。その家族たちは、今年も空席のある過越の夕食(セデル)になる」と語り、痛みを共有していることを表明した。
しかし同時に、私たちの世代は、贖いを受け取る世代でもあると述べた。「10月7日の襲撃の時、敵は私たちが海に沈むと思っていた。しかし、そうはならず、共に立って、敵を打ち砕くことになる。
世界は、私たちの祖先が、どの時代にも、私たちを滅ぼそうとする敵に直面しながらも、立ち上がるのを見てきた。神とその霊を備えた兵士たちが戦って、私たちを助けたのだ。自由、解放の例祭である過越において、全世界のユダヤ人に送る」と締めくくった。
石のひとりごと:現代イスラエルの解放のために祈れ
それにしても、ここまで危機的に存在を否定される国があるだろうか。どうやって彼らは落ち込まずにすむのだろうかと思う。今年も過越をイスラエル人たちは、いつもよりリアルに手に向かっていることだろう。
今年、イスラエルがこの闇から解放されるように。それによって、本当に生きて、実在される神、主が世界に明らかになるように。霊的な救いのためにも私たちも涙をもって以下の祈りを祈ろう。
主よ。立ち上がってください。私の神。私をお救いください。あなたは私のすべての敵の頬を打ち、悪者の歯を打ち砕いてくださいます。
救いは主にあります。あなたの祝福があなたの民の上にありますように。セラ(詩篇3:7-8)