イランでは、ここ数ヶ月の間にチーズの価格が3倍になるなど物価上昇は尋常ではない。さらに今週、イラン通貨リアルの価値が半額近くにまで下落したことを受けて、首都テヘランで大規模な市民デモが発生した。
数千人の市民は、急激な物価上昇に抗議。イランの経済危機をもたらしたのはアフマディネジャド大統領だと叫んでいる。市民は政府がシリアのアサド政権を支援していることにも抗議している。
この前日、アフマディネジャド大統領は、リアルの下落について公式会見を実施。イランの経済危機を認め、その責任は経済制裁をしている世界だと非難した。イラン市民は責任は世界ではなく、アフマディネジャド大統領だと言っているのである。
デモに対し、イラン政府は暴動鎮圧隊を派遣し、催涙弾を使って鎮圧を試みている。これまでに150人が逮捕されている。
<2009年のデモと関係ありか>
イランでは2009年にアフマディネジャド大統領が再選されたときにも市民デモが起こったが、政府軍に暴力的に鎮圧された。
2009年のデモを主導したラフサンジャニ前大統領の息子ハシャミ・ラフサンジャニだった。今回のデモは、この人物が最近、逃亡先のロンドンからイランに帰国したことと関係があるのではないかとの分析もある。